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Muv-Luv Alternative 士魂の征く道
第46話 展望
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きを口に放り込んでうつむいていても不自然じゃないように装う―――――が、それは失敗だった。

「あ、唯依そいつは……」

 口の中に広がる青のり特有の香り……そして、指摘されて気づく。
 たこ焼の青のりは地雷だ、即死級のトラップの代名詞。食べたら最後小さな青のりが歯にびっしり……

「………」

 好きな人の前で青のりびっちり、というのはかっこ悪すぎる。わざわざ分けてもらったそれを口にする自分の迂闊さを呪いたい。


「……意外と天然なんだな。ああ!って分かった(おれ)が悪かったから涙目になるな。」

 たこ焼を口に入れたまま、目じりに涙が溜まっている自分を見て焦りだす忠亮。少し、新鮮だと心の隅で場違いに思う。
 だが―――なんか、しょうもないことで泣きそうになるなんて……泣かないと決めた決心はどこ行ったっと自分に問いかけたい。

 本当に、この人の前じゃ自分のちっぽけな仮面なんて剥ぎ取られてしまう。

「ほれ、そっちの青のりの付いたやつ寄越せ。二人とも同じ格好なら少しは紛れるだろ。それに元々、そっちは(おれ)が食いたくて注文した奴だしな。」

 本当に素直じゃない言い訳。この人の知らない一面を見て少しおかしくなる。

「う〜…わかりました。死なば諸共です!!はい、あーん……」



 その後、迎えに来た送迎バスの運転手に二人して揶揄われたのは余談である。

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