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艦隊これくしょん【幻の特務艦】
第十三話 覚悟
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紀伊はそっと主砲を横目で見た。その主砲弾には散布効果のある対空弾と通常弾頭がセットされているが、実は紀伊にはもう一つ切り札があった。
(でもあれを使うことで加賀さんは私を軽蔑しないかしら?でも、今のままじゃ・・・・私は・・・。・・・・なら、やるしかないわ!!)
 洋上の一点とかしていた加賀が不意に弦から手を離し、放たれた弓が大空で無数の艦載機に変わった。その瞬間紀伊は決断した。
「赤城さんは離れてください、早く!!」
紀伊の促しに、赤城は励ますような強い視線を紀伊に送り、その場を離れ、少し離れたところに立ち、見守っていた。ちらとそれを見た紀伊は目標に目を向けた。
「空母戦艦の・・・私の力を、加賀さんに認めてもらわなくては!!行きます!!」
41センチ3連装主砲が回転し、目標に仰角を付けた。
「対対空砲撃用零式弾装填!!主砲、副砲交互撃ち方準備!!目標までの推定距離5千!!零式弾信管作動所要諸元入力!!」
41センチ3連装主砲の砲身が細かく上下し、目標に狙いを付けた。
「いい???行くわよ、テ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!」
轟然と41センチ3連装砲が火を噴き上げ、砲弾が大空に向けて放たれた。
「続いて第二斉射、修正0・2!!テ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!」
直後、紀伊は赤城に叫んでいた。
「赤城さん、目を閉じてください!!」

「主砲?」
加賀は遠く海上にいたが、それでも紀伊が発砲した主砲音は耳をつんざくほどだった。
「航空機に主砲は無力。そのことはよく知られている。なのに?」
『目を閉じてください!!』
突然紀伊の声が響いた。通信してきたのだ。訳が分からないながらも加賀はとっさに腕で目を庇っていた。
その直後だった。強烈な閃光があたりを引き裂いた。それは腕で目を庇い、目を閉じていてもバチバチと感じられるほど凄まじいものだった。
「くっ・・・・!!」
加賀は腕で目を庇い、強烈な光の奔流に耐えていた。それが突然消えた。
「・・・・・・・。」
妙に静かだった。そっと加賀が腕を目から外し、愕然となった。

 発艦させた攻撃隊の姿は一機も残っていなかったからだ。

振りぬいていた左腕を、そして目を庇っていた右腕を紀伊は降ろした。これが正しかったかどうかはわからない。使うことでかえって加賀も赤城も自分を軽蔑するのかもしれない。ただ、と紀伊は思っていた。赤城が自分を受け入れるのなら、すべて自分のことをわかったうえで受け入れてほしいと思ったのだ。
「今のは・・・・。」
赤城がいつの間にかそばにやってきていた。
「驚かせてすみませんでした。これが私に搭載された新型兵器、対対空砲撃用『零式弾』です。ご覧になったとおり広範囲に強烈な閃光と熱波を拡散させることによって敵を消滅させるんです。たぶん・・・前世では存在しなかった
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