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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第三十九話 新たな戦いの序曲です。
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いる。つまりだ、いつの間にか自由惑星同盟の息のかかった会社がこともあろうに我がフェザーン内に存在し、それらが自由惑星同盟の主だった産業の株を買いに動いている」

 よく見てみたまえ、とルビンスキーは補佐官に書類を投げやった。何枚かが床に散らばる。それらを這いつくばるようにして拾い上げたボルテックは、顔面蒼白の顔で慌てて書類をめくり始めた。さすがのボルテックもこうまで言われて、書類の中に潜む問題点に気が付かないほど愚かではなかった。

「つまりだ。自分の家の金庫の中に大切に保管していた宝石類がいつの間にか他人の手によってすり取られていたような状態にあった、というわけだな。その家の主人こそ良い面の皮だろう」

 ボルテックは深々と頭を下げて、謝罪するばかりだった。まぁいい、とルビンスキーは思う。これらの失態は後で贖罪させる。できればの話だが。それにまだまだボルテックは使い道はある。自分が軌道修正してやれば自分で理解し進んでいけるとりあえずの器量はある。

「これは一つ同盟に対しては懲罰をもって応じなくてはならないだろう。いや、同盟にはまだまだフェザーンを頼ってもらわなくてはならん。戦乱が起これば、今同盟が取り組んで生じているささやかな成果も瞬時に瓦解するだろう」
「はっ・・・・。帝国に同盟に対して侵攻するように働きかけますか?」

 ルビンスキーはうなずいた。ボルテックが蹌踉とした足取りでオフィスを退出すると、ルビンスキーはぐっとグラスをあおった。太い吐息が大きな口から洩れる。

「残念なことね。せっかく取得した財産が実は他人の物だなんて、近年フェザーンでもなかなかお目にかかれない喜劇だわ」

 艶のある、だがかすれたような声がオフィスに聞こえた。痩身であるが胸元は豊満で、艶やかな赤い髪に艶のある、だがどこか皮肉交じりの微笑。彼女は猫の様に音もたてずにオフィスの隅にあるソファに座って、頭越しに二人の会話を聞いていたのだ。
 ルビンスキーは失笑し、肩をすくめた。

「あぁ、そして他ならぬその喜劇を演じたのは私だからな。お前からすればおかしくてたまらないということだろうよ」
「あら、そんなことは言っていないわよ」

 ルビンスキーの情婦、ドミニクはデスクの端に嫣然と腰を下ろし、形の良い脚を組んだ。

「それにしてもあなたにとってはこの程度の打撃は予測の範囲内だったというわけね?」
「そんなことはない。私にとってもいささか予想の範囲外だった。だが、既に起こった結果は変わらないからな、いつまでもくよくよしていても始まらんさ」

 あなたは昔からそうだったわね、とドミニクは声に出さずに愛人を見ていた。当時自分がまだ一介の踊り子でルビンスキーが一介の書記官であったころからの付き合いだ。ルビンスキーは表向き独身であったが、そ
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