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第三十九話 新たな戦いの序曲です。
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乱においても、帝国ではバーベッヒ侯爵討伐戦が行われたにすぎないからな。このままでは帝国と自由惑星同盟の国力は増強の一途をたどるばかりだ。そうなればいかなフェザーンとて奴らに忘恩の徒となることを防ぎようがない」
「お言葉ですが、帝国自由惑星同盟の国力が増強すれば、それは経済発展の要素となり、我がフェザーンにとっても有益とはなりませんか?」
「違うな。国力の発展イコール経済発展イコールフェザーンの繁栄ということではないぞ。もしも自由惑星同盟と帝国がそれぞれの領域内で独立してすべての取引が完結できるようになれば、フェザーンの存在意義はどうなる?」
「・・・・・・・・」
「失われる。そうだな?恐怖されるほど強からず、侮りを受けるほど弱からずというのが我がフェザーンの方針であるが、それには両勢力のパワーオブバランスが必要不可欠なのは言うまでもない。いつまでもフェザーンの資金が彼らの懐を潤す状態にしなくてはならん。砂漠のオアシスは我がフェザーンのみが管理すべきなのだ」
「ごもっともです」

 ルビンスキーはボルテックの見識の視野狭窄さに内心あきれ内心嘲笑いながらもそれを表面に出すことはなかった。


 だが、手元にあった数枚の資料に何げなく目を通した瞬間に彼の顔色が変わった。


「補佐官。この自由惑星同盟に対してのダミー会社は我がフェザーンのものであることは間違いないか?」

 じろりとデスク越しに見上げるルビンスキー。その太い指が示す一点には、自由惑星同盟の工業会社に対してのフェザーン株主の一覧が並んでいた。

「は。登記上はそうでありますし、我が自治領主府が間接所有している会社の系列の子会社ですが。何か?」
「・・・・・・・」

 ルビンスキーは不快そうに顔をしかめ、次々と書類をめくる。こうした時の彼の手際と頭脳の良さは凡人には及びもつかない勢いをしめすのだ。

「補佐官」

 ルビンスキーは再びボルテックをじろりと見上げた。ボルテックの顔に我知らず一筋の汗が流れている。

「・・・残念ながら君の見識と手腕はこの程度の問題も見抜けなかったようだ。そして最も憂慮すべき点はそういう君の資質を見抜けずに使役していた私の浅はかさにあったようだ」
「・・・と、いいますと・・・・?」
「みたまえ。これを。近年の主要産業におけるフェザーン系列会社、そして自由惑星同盟の系列会社、それらの株主構成だが・・・・」

 ルビンスキーの太い指は次々とある会社を指していく。

「巧妙に艤装してあるが、これは我がフェザーンの会社ではない。いや、登記や所在地は我がフェザーンにあるが、それらの資本関係をずっと追っていくと、もとをただせば自由惑星同盟の会社の物だ。しかもここ近年でこれらの会社の名前が―複数とはいえ―にわかに登場し始めて
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