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第三十七話 前線で一番苦労するのは誰なのです?
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いと思ったので、口を出さなかったのである。

「なるほど、妙案ですな。では、その策で行きましょう」

 メルカッツ提督は賛同をしめし、具体的に担当部署を提案した。メルカッツ提督は正面のバーベッヒ侯爵部隊に、ベルンシュタイン中将は右翼カール・フォン・ルクセンベルグ子爵に、そしてアレーナの私設艦隊は左翼のフォイエルバッハ・フォン・ティオデール伯の艦隊に当たることとなった。二人ともこれには異存がない。

「では、フロイライン・ランディール」

 アレーナはうなずいて立ち上がった。ベルンシュタイン中将もメルカッツ提督も立ち上がり、そこに盃が運ばれてきた。もっとも、アレーナには貴族令嬢だからという理由からか、まだジュースだったが。一応二十歳を超えているので酒は堂々と飲める年齢であるが、おそらく初めての戦闘だから体調は万全に、という理由でノンアルコールにされたのだろう。

(やれやれ)

 表情には一切出さなかったが、本当ならばジュースではなく、ワインが欲しいところだった。

(ま、しょうがないわよね)

 プロージット!の声と共に、干されたグラスは床にたたきつけられる・・・・・のではなく、テーブルにきちんと置かれた。

「ただちに艦隊戦闘の準備及びワルキューレ部隊の発進用意を」

 ワルキューレとは帝国で運用されている単座式戦闘機である。横に長い「コ」の字を2つ、縦棒の部分で直交させて繋げたような構造になっているのが特徴で、小回りが利く。直交部を軸にして砲塔部を360度回転させられるようになっており、母艦には180度回転させた状態で搭載されている。左右への首ふりも可能である。同盟軍にもスパルタニアンという帝国軍のワルキューレに相当する戦闘機があるが、これに比べて圧倒的に射界が広い。
 なお、アレーナの私設艦隊の指揮は、メルカッツ提督が統括するが、事実上の戦闘指揮者として、グローテウォールという老提督が艦隊を統御している。アレーナがずっと小さなときから「爺や」として面倒を見てくれていた、優しいお爺さん軍人だ。風変わりなアレーナをずっと見てきただけあって、少々の事では動じない人である。
 だが、折に触れて部下たちから聞くと、戦場では貴族でありながら一兵卒から叩き上げてきた練達の軍人で、その経歴はメルカッツ提督に及ばないにしてもかなりのものなのだという。

(あのグローテウォール大将のお父様なのかしらね?わからないけれど)

「爺や・・・いえ、提督。色々と迷惑かけるけれど、よろしくね」
「はい、お嬢様。なんの、大船に乗った気でいらっしゃることです。戦というものは常に動いているものでありますから、事前に周到な準備をしたところで予測を超える事態にあうこともしばしば。ならばいっそのこと泰然としていた方がいいのです」

 は
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