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銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第百十三話 シャンタウ星域の会戦 (その5)
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せたに違いない。忌々しい事だがある程度の補給も済ませただろう。

敵は今一つに纏まっている。この状態で追撃するのは危険だろう。こちらは敵の三分の一しかない。味方の集結を待ってからにしよう、誰か一人来てくれれば追撃する。それほど時間はかからないはずだ。

「とりあえず、輸送艦を頂こうか。敵に対する攻撃は味方が追付いてからにしよう。直ぐ近くまで来ているはずだ」
「はっ」

敵が輸送艦から離れるのを見届けてから命令を受けた艦隊が輸送艦に近づく。十万トン級輸送艦。敵が破壊したとはいえ未だ五十隻以上残っている。決して小さな戦果では無い。

輸送艦を艦隊の先頭集団が取り囲んだ。戦艦が輸送艦に接舷し、拿捕するための人員を送ろうとしている。その瞬間だった。

輸送艦が次々に爆発し大きな火球を作り上げた。接舷していた戦艦、あるいはしようとしていた戦艦が爆発に巻き込まれ爆発する。近くにいた艦も爆風を受け艦列を乱している。してやられた! 罠か!

「全艦に命令、直ちに後退しつつ艦列を整えろ、敵が来るぞ!」
艦隊の動きが鈍い! 味方が敵を追撃しているという思いが、敵が反撃してくる現実に対応できなくなっている。混乱する先頭集団に敵のレーザーがミサイルが襲い掛かるのがスクリーンに映った。


帝国暦 487年8月23日  8:00 帝国軍 ロイエンタール艦隊旗艦トリスタン オスカー・フォン・ロイエンタール



「前方で戦闘が行なわれています!」
オペレータの声が艦橋に響く。ミッターマイヤー、相変わらず早いな。
「戦闘は徐々にこちらに向かっています!」
「!」

こちらに向かっている! つまり後退しているということか。ミッターマイヤーが押されている、何が有った?
「スクリーンに投影しろ」

スクリーンに戦闘が映った。やはりミッターマイヤーの艦隊が押されている。何とか後退し態勢を立て直そうとしているのだが、どうにも立て直せず、ずるずると後退している。

「敵の総数、約三万!」
三万隻、最後尾だけじゃない、反乱軍全軍での反撃か! おそらく撤退するための反撃だろうが、しぶとい!

「全艦に命令、ミッターマイヤー艦隊を援護する。前進だ」
艦隊を前進させ、ミッターマイヤー艦隊の横に出る。前進してくる敵に対し攻撃をかける。

「主砲斉射三連、撃て!」
こちらの攻撃を受け、敵が後退する。ミッターマイヤー艦隊も艦隊を立て直し始めた。

ミッターマイヤーから通信が入った、スクリーンにミッターマイヤーが映る。
「すまん、ロイエンタール、助かった」
「卿らしくないな、一体何が有った」
「小細工に引っかかった。してやられたよ、面目ない」

敵は後退していく。整然としたものだ。追うべきだろうか? ミッターマイヤーは追おうと
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