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艦隊これくしょん【幻の特務艦】
第九話 南西諸島攻略作戦(後編)その3
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山城が無事だった左砲塔で応戦しつつ日向を支えている。
「流石に・・・・もう射出できる艦載機も残ってないわ・・・・。」
飛鷹が肩を落とした。ほとんどの艦載機は撃ち散らされてしまっている。その少ない味方艦載機も残存機は敵艦載機を抑えるのに必死だ。
「そんな・・・・僕たちはここで沈められるの・・・・?」
「いいえ、そんなことはさせないわ!!」
足柄が腕を振った。
「まだ戦える!!私が残るから、皆は先に行って!!」
「駄目よ足柄。」
妙高が進み出た。
「妹を盾にして逃げるようなまねは姉としてできません。私が残ります。」
「姉さ――!」
何か言いかけた足柄の口を妙高が塞いだ。
「あなたは、皆を護って。これは命令です。」
砲弾が降り注ぎ、爆炎と水柱が林立する中、足柄は妙高を見上げた。それは一瞬だったのかもしれないが、足柄には何分もずっとそうしていたように思えた。妙高はかすかに目を細めると、身をひるがえし、殺到する戦艦部隊めがけて突撃していった。
「姉さん!!くっ!!」
足柄は目をそらし、こぶしを握りしめると、最上たちのもとに走った。
「早く、行きなさい!!ここを脱出するわよ!!殿は私が引き受けるから、早く!!」
「でも――!」
「わからないの?妙高姉さんがどうして一人残ったか?!その意味を少しでも考えて行動しなさい!!」
「わ、わかったよ。」
最上はうなずくと、三隈に合図した。
「妙高さん・・・足柄さん・・・・・。」
足柄はただ強く、強くうなずいただけだった。最上、三隈はさっと敬礼すると、翔鶴を支えながらすぐに山城、日向、飛鷹のもとに走ると、すぐに戦場を離脱していった。
「那智姉さん・・・・羽黒・・・・ごめんね。生きてもう一度会いたかったけれど、それもダメになるかもしれない・・・・・。でも、私と妙高姉さんの分まで、どうか・・・・。」
一瞬胸に手を当てて目を閉じた足柄がきっと敵艦隊をにらみ、殺到してきた敵に向けて突撃していった。
「さぁ!!まだまだこれからよ!!」
足柄の砲撃は駆逐艦2隻を轟沈させ、軽巡1隻を大破させたが、続く第二陣の砲撃を受けて、足が止まった。疲労とダメージの蓄積で体が思うように動いてくれない。
「しまった!!」
好機到来とばかりに殺到してきた敵艦載機に対処できず、眼だけが凍り付いたようにそれを見つめていた。
(これまでか・・・・・!!)
足柄は腕で顔をかばい、思わず目を閉じた。
「全艦載機、目標至近!!う〜〜〜〜〜てぇ〜〜〜〜!!!」
高らかな声が響いた。同時に轟音と共に敵艦載機が爆発、破片が四方八方に散っていった。
「・・・・・・・!?」
呆然と腕を離した足柄は信じられないものを見た。

 おびただしい友軍艦載機が飛来し、片っ端から敵艦を撃滅している。なおも飛んでくる艦載機隊は
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