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英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜 戦争回避成功ルート
第98話
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3月18日―――





〜トールズ士官学院・グラウンド〜



「―――それじゃあ予告通り”最後の実技テスト”を始めるわよ。全員、覚悟はいいわね?」

「それは大丈夫ですけど……一つ疑問があるのですが……」

手を叩いて自分に注目させたサラ教官の言葉にセレーネは戸惑いの表情で頷き

「何か質問があるのか?」

セレーネの様子を見たレーヴェは訊ねた。

「し、質問も何も……」

「どうしてトワ会長達もいらっしゃっているのでしょうか……?」

「しかもシャロンまでいるし。」

レーヴェの言葉を聞いたエリオットは言葉を濁し、エマは戸惑いの表情で自分達の傍にいるトワ達に視線を向け、アリサはジト目でサラ教官とレーヴェの傍にいるシャロンに視線を向けた。



「うふふ、お嬢様達が”あの方”に挑むと小耳に挟みまして。お嬢様達のお世話をさせて頂いた”第三学生寮の管理人”として見届ける為に、特別に見学させて頂いているのですわ♪」

「”あの方”……?」

「フム……口ぶりからするとシャロン殿の知り合いのようだが……」

「フン、まさかとは思うが”結社”関係の使い手か?」

シャロンの答えを聞いたガイウスは首を傾げ、ラウラは考え込み、ユーシスは鼻を鳴らしてジト目でサラ教官達を見つめて問いかけたが

「〜〜〜〜〜♪」

サラ教官は口笛を吹いて露骨に誤魔化し、それを見たリィン達は冷や汗をかいて表情を引き攣らせた。



「幾ら何でも露骨過ぎですよ、サラ教官……」

「そうですよ………それじゃあほとんど答えを言っているようなものですし。」

「”結社”の使い手ねぇ……それだったら”鋼の聖女”じゃないかしら。今のアイツはメンフィル所属の上”英雄王”直属だから、”常任理事”でもある”英雄王”が頼めば何とかなるでしょうしね。」

リィンとアリサは呆れた表情で指摘し、セリーヌは自身の推測を口にし、それを聞いたリィン達は再び冷や汗をかいて表情を引き攣らせ

「さ、さすがにリアンヌ様が相手だと私達も不味いわよね……」

「え、ええ。そうでない事を願うしかありませんね……」

「というかそれだったら姉さんの可能性もあるわよね……?」

「ヴィータ一人じゃアンタ達全員を相手にするのは無理よ。」

プリネとツーヤはそれぞれ苦笑しながら互いの顔を見合わせ、冷や汗をかいているエマに訊ねられたセリーヌは静かな表情で答え

「そ、その……トワ会長達はどうして僕達の授業に?会長達の授業は大丈夫なのですか?」

「うん、特別に免除してもらってあるから大丈夫だよ。」

「私達がこの場にいるのは君達――――”Z組”設立の為に関わった試験班として君達の”助っ人”をする為だよ。」

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