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アーチャー”が”憑依
十六話
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「まて、一人足りない……?」

よく見てみれば、本山についてきた生徒たちの数より石像の数が少ない。

「宮崎、か!」





「刹那君!」

「はい!」

ネギと離れた二人は早々に二つの人の気配を察知していた。感じられる気配には敵意や殺気と言ったものは全く見られず、一般人……ひいてはこのかである可能性が高かった。それを理解している二人は更に足を速めて気配の元へと向かう。

「ほら、ここやえ」

「あ、ありがとうございます」

「ええよ、広いから分かりにくいもんなぁ」

このかはお手洗いに行きたいと言ったのどかをトイレまで案内していた。この広い屋敷では、口で説明するより直接案内したほうが早いのだ。

「それじゃあ、うちは行くけど……」

「大丈夫です。道は覚えましたから」

こう言ったのが明日菜であれば本当に覚えられたのかと疑うこのかだがのどかが相手ならば問題なく信じられた。何せ、のどかは学年でもトップクラスの頭脳を持っているのだ。こういったことに関しての信用度は明日菜の比ではない。

「それじゃあ……のどか!」

「ふぇ?」

のどかの背後、何も無かった筈のそこにスゥーっと現れた一つの影。余りに異質な現象に、このかは思わず声を張り上げていた。対してそんな事が自分の背後で起こっていることなど全く知らないのどかはいきなり大きな声を出した友人に顔をかしげるだけだ。

「…………」

のどかの背後に現れた少年が手をかざす。すると、その手に灰色の光が集まり始めた。その光にどうしようもない悪寒を覚えたこのかはのどかを引き寄せようと手を伸ばす。しかし、時既に遅し。このかの手がのどかを引き寄せる前に、灰色の光が解き放たれる……はずだった。

「女性には優しくしなさいと教わりませんでしたか?」

「あいにくと、そんなことを教えてくれる人はいなかったね」

少年……フェイトの手首を、タッチの差で現場に間に会った詠春が掴み取っていた。

「そうですか。ですが、だからといって許しはしません、よ!」

開いた右手に持つ抜き身の刀を手加減なしにフェイトの腹部へと叩きこむ。だが、例え魔力で強化していようとも容易く人を両断出来ていたはずの一刀は、障壁によって完全に防がれていた。

「紅き翼の青山詠春、か。いや、今は近衛だったね」

「そういうお前は……まさか!?」

詠春の思った以上に事態は切迫していたようだ。目の前の少年に、詠春は見覚えがあった。詠春の記憶にあるより幾分幼い容姿をしているが、間違いない。

「やれやれ、貴方に姿を見せたのは失敗だったかな」

その言葉は、詠春の推測を確実にするものだった。

「刹那君、このかと、ご友人を連れて逃げなさい。出来れば、ネ
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