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銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第八十一話 新体制
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番正しい方法だったと。一番混乱せず勝利を収める方法だったと。それでも何処かで自分に指揮権があればと考えてしまうのだ。そしてそのことがヴァレンシュタイン大将への疑惑になってしまう。

本当に、ラインハルト様が指揮権を握る可能性は無かったのだろうか? ヴァレンシュタイン大将は故意にその方法を無視していなかっただろうか? 私にはその可能性は見えない。しかし大将には見えたのではないだろうか?

その上で無視した……。もしかすると大将はあの件を知っているのではないだろうか? 例の襲撃事件の真相を。だからあえてラインハルト様を貶めるような方法を取った……。考えすぎだろうか? あの件の謝罪を何時すればいいのか、未だに私とラインハルト様の間では結論が出ない。だが少なくとも今は無理だ。

ヴァレンシュタイン大将が着任の挨拶をラインハルト様にしている。何時ものように穏やかな微笑を浮かべている。本当にあの件を知らないのだろうか?

「ヴァレンシュタイン大将、宇宙艦隊の編制だが、指揮権をどうしたものだろうか? 卿と私で分割すべきかな?」
ラインハルト様が、言いづらそうに話す。副司令長官は常時置かれるわけではない。それだけに扱いが難しい。

副司令長官が実力者なら、司令長官に対抗意識を持っているなら指揮権の分割を要求するだろう、そうでなければあくまで補佐役として次席指揮官に甘んじるだろう……。

微妙な問題だ。ヴァレンシュタイン大将は明らかに実力のある副司令長官だ。そしてラインハルト様は司令長官とはいえ立場は弱い。宇宙艦隊は十八個から成り立つ。その半分の九個艦隊の指揮権を要求してもおかしくない。

「小官はあくまで副司令長官です。次席指揮官として扱っていただければと思います」
ヴァレンシュタイン大将はあっさりと言った。指揮権は要求しなかった……。ラインハルト様もほっとしただろう。

「各艦隊司令官だが、前回の戦いで武勲を上げた指揮官達を中心に任命しようと思うが?」
「新編成二個艦隊の指揮官たちですね」
「そうだ、それとミュラー、ロイエンタール、ミッターマイヤー、ケスラーにも艦隊を任せるつもりだ」
ラインハルト様の声にわずかに苦味が走る。

「メックリンガー中将はどうします。総参謀長にしますか?」
ヴァレンシュタイン大将の声には、なんの気負いも感じられない。
「いや、彼にも艦隊を指揮してもらう」

「では総参謀長は誰に」
訝しげな声だ。ラインハルト様を心配しているのだろうか。
「……まだ、決めかねている」

各艦隊司令官、総参謀長の選抜もラインハルト様にとっては不本意なものになった。実力の有る司令官達は全てヴァレンシュタイン大将に親しい人物ばかりなのだ。かねてラインハルト様が眼を付けていた司令官達は皆ヴァレンシュタイン大将
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