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普通だった少年の憑依&転移転生物語
【ソードアート・オンライン】編
139 兄弟語り(物理)
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は、“なんちゃってダブルサーキュラー”で一気呵成に突撃する。

「なっ…!」

思わずその華麗さに息を()らしてしまう。

……突撃したのは良かったのだが、真人兄ぃはひらり、とターンして“なんちゃってダブルサーキュラー”の一撃目と次いでの二撃目をまるで円舞(ワルツ)でも踊っているかの様に避ける。……どうやら俺の“なんちゃってダブルサーキュラー”は読まれていたらしい。

「くっ…!」

感嘆≠フ次に口から()れたのは苦悶。真人兄ぃはターンしたその勢いのまま──流れる様に赤色のライトセイバー≠振るってくる。……回避≠ゥら攻撃≠ヨの一連の流れは、(さなが)ら流水≠ニ云えるくらいには流麗だった。

(さすがは師匠>氛氓ゥ)

スグのアインクラッドに囚われる前からの頼みに便乗する様に、俺は──もちろんスグも、アインクラッドを脱却して以来、真人兄ぃに剣術≠フ指南を受ける事にした。……ある意味で真人兄ぃは俺の師匠≠ナある。

……ドロップアウトしていた俺がまた現実(あっち)≠ナも剣を振るうようになった理由は、明日奈と交際する様になったからなのだが──敢えてそこら辺を(つまび)らかに語るべきでもないだろう。

閑話休題。

(煙が…)

一回、二回、三回──と、真人兄ぃへと突撃しては良い様に遊ばれていると、俺達の激動に依ってか──はたまたスモーク≠フ制限時間に依ってかは判らないが、立ちこめていた白煙がきれいサッパリ消えていた。

「………」

「………」

一刀≠ニ二刀≠ェ睨み合う。もう何度目かの膠着状態。

(……待てよ一刀=c? じゃあ≪スコーピオン≫は──)

極限まで加速された意識の中で、そんな事をふと疑問に思い──≪スコーピオン≫を持っていた左手に目を向ける。……それが真人兄ぃの狙いだったとは知らずに。

……真人兄ぃがしたことは、真人兄ぃは自らが握り締めている左手の甲をカゲミツ≠ナ貫いた>氛氓ニ、至極簡素かつ至極不可解な行為だったが、その刹那後に聞こえたヒュカッ≠ニ云う、掠れた音が真人兄ぃの真の狙い≠教えてくれた。

真人兄ぃの左手の中で閃光≠ェ炸裂する。

「な──ぐっ!」

(目がっ…!)

今に思えば(スモークグレネード)≠熈(スコーピオン)≠焙氛汞円舞(ワルツ)≠ナすらもこの瞬間の為の伏線(タネ)≠セったのかもしれない。真の狙いは閃光(フラッシュグレネード)=B

(……強いなぁ…)

胸に去来するのは悔しさ>氛氓ウれど、それ以上に清々しい気持ちばかり。……眩い閃光に目を()かれながら敗北を悟った。

SIDE END
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