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ソードアート・オンライン―【黒き剣士と暗銀の魔刃】
初節:鉄色の男
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 五十七層……そう呼ばれる“エリア”のとある村。
 大通りに面しながら日当たりが良いとは言えないベンチ。

 そこでは上半身下半身に髪の毛に得物まで黒づくめの少年が、砂色のフードローブを目深に被った背の低い者と会話していた。


 ……これだけ見ると、何処か別の世界におけるファンタジーのようにも思える。
 が、彼らの上に浮かんでいる緑色のカーソルと、人間にしては造形が甘い部分が多々見られる事、そして何より彼等の後ろにも、まるで纏まりの無いファンタジーの剣士や騎士の様な格好をしたカーソル付きの者達が居ることから……ただの別世界だという事ではないと気付けるだろうか。

 そう、そもこの世界は完全な異世界などではない。
 この世界は “VRMMORPG” と呼ばれるジャンルのゲームの中であり、アレらは今まさにゲーム内部へとフルダイブしているのだ。

 名を “ソードアートオンライン”。
 ……略称SAOと呼ばれるそれは、登場するまでフルダイブゲームの最大の特徴を生かし切れていないソフトが続いた中で登場した事もあり、またあらゆるVRMMOの先駆けとなった事でこれから様々なジャンルの物が発売されるであろう事を簡単に予測させる。
 だからこそ、金字塔を打ち立てうる―――――『筈』だったソフト。


 何故に『筈』なのか?
 ……それはこのゲームが、天才と呼ばれた学者且つゲームデザイナーである、茅場明彦という男が仕組んだ凶事により、ゲーム内での死が現実の死にもつながってしまう、デスゲームと化してしまったからだ。

 その数何と一万人。世界規模で見れば余りに少なく、しかし国規模で見れば余りに大きい被害者数……前代未聞の大事件である。
 勿論、目算が一万人程というだけであり、本当にソフトを購入した一万人全員が囚われたかどうかは定かではないが……しかしそれでも大き過ぎる被害が出ている事に変わりは無い。


 この世界から脱出する術はただ一つ―――百もの層からなる浮遊する巨大城『アインクラッド』、その頂点に辿り着き、最後の魔物を討伐せしめる事だけである。

 ―――その大前提である攻略も、一年以上過ぎた今では順調に続き、先にもいったように現在は六十層の攻略の最中。
 まだプレイヤーが少ないことと、上質なディティ−ルを持つ装備から推測すると、少年の方は攻略を第一に目材しているプレイヤーかもしれない。


「……?」
「―――!」


 そしてメニューを出しながら会話しているのを見るに、どうやらただの世間話では無く取引中の様子。

 少年が軽く頭を下げて“コル”と呼ばれるこのゲーム内での通貨を支払うと、フードの人物はネズミの髭の様なペイントが成された頬を僅かに緩ませ笑う。


「まいどキー坊。何時も悪
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