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ソードアート・オンライン―【黒き剣士と暗銀の魔刃】
初節:鉄色の男
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 説明し終えたからと一旦咳払いし、アルゴはアスナへ確認を取った。


「じゃあアーちゃん、今回の依頼はその人物の詳細を調べるって事で良んだナ? ……前々から気になって調べてた人物だシ、ちょと本腰入れさせてもらうヨ」
「はい、お願いします……とはいっても、正確には私じゃ無く団長からの頼みですけどね」
「KoB団長から態々カ?」
「ええ、何でもその人の事が妙に気になるみたいで……」
「大方戦力になりそうだから話がしたいってとこだろう。こと攻略に絞るなら優秀なプレーヤーは何人いたって困らないしな」


 何かを含んだ笑みを浮かべてそう行ったキリトに、他に言う事もないのかアスナは肯定の意を示す為か苦笑いする。
 それじゃあナとアルゴは今回の件含めた幾つかの情報収集の為か、すぐさまこの場から去っていった。

 残された二人の間に沈黙が走り、先にアスナが口を開く。


「それで、キリト君はこれからどうするの?」
「もうちょっと先に進んで迷宮区にでも入っちゃおうかな、とは思ってる。フィールドボスはもうとっくに倒されているし、他の奴等はどんどん先に進んでいるしな……アスナは?」
「私は一回本部に戻って報告かな。気を付けてねキリト君」
「俺よりも先に進んだ奴らの心配をしろよ」


 それだけ言うとキリトもベンチから立ち上がり、遠くにそびえたつ迷宮区へと脚を進めていく。
 少しだけ彼の背を見送ってから、アスナも転移門のある主街区へと戻るべく歩き出す。



 ……この時彼等は、その男・GATOがどれほどの “イレギュラー” なのか、当然ながら知る由もなかった。


 

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