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英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜(閃U篇)
第37話
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ビリヤードをプレイした二人だったがクレア大尉の番になるとクレア大尉は一突きで全ての球をポケットに落とし、ゲームはあっと言う間に終わった。
「全ての球を一突きでポケットに落とすなんて……!」
「上手く計算通りの軌道を通ってくれたようですね。……って、すみません。すぐにゲームが終わってしまいましたね。」
驚いているリィンに説明したクレア大尉は申し訳なさそうな表情をした。
「ふう、考えてみればこの手のゲームはクレア大尉の独壇場ですよね。勝負を挑んだ時点である意味負けが決まっていたというか。」
クレア大尉の言葉を聞いて冷や汗をかいたリィンは苦笑しながらクレア大尉を見つめた。
「ふふ、すみません。つい本気を出してしまって。………レクターさんだったらもっと上手に盛り上げたでしょうね。適度に運の要素なども絡ませながら。」
「はは……あの人はいかにも遊び慣れていそうですしね。俺がもう少し上手ければちゃんとお相手できたんですけど。」
レクターの事を思い出したリィンは苦笑しながら答えた。
「ふふ、でしたら勝負は止めて私がお教えしましょうか?」
「いいんですか?」
「コツのようなものは多分、伝授できると思います。リィンさんもフォーム次第でいくらでもスコアを伸ばせるはずですし。」
「えっと、それじゃあお言葉に甘えて。」
こうしてリィンはクレア大尉に手取り足取りビリヤードを指導してもらうことになった。センスに関わるような難しい説明もわかりやすく噛み砕いた上で優しく、丁寧に教えてくれ……リィンは短時間で驚くほど上達することができたのだった。
「―――お見事。これで9番がポケットに入りましたね。」
「ええ、練習とはいえノーミスで達成できたのは始めてです……!はは、これも大尉が丁寧に教えてくれたおかげですね。」
ポケットに全ての球をノーミスで入れられた事にリィンは興奮した様子で言った後クレア大尉を見つめた。
「ふふ、リィンさんの飲みこみもとても早かったですし。まだわからないところがあれば何でも聞いてくださいね?私も教え甲斐があるというものですし。」
「クレア大尉……はは、大尉はやっぱり優しいですよね。」
「え……?」
リィンがふと呟いた言葉が不思議に思ったクレア大尉は呆けた。
「その、士官学院の特別実習にしたって、何度も手助けしてもらいましたし……今回だって同行してくれた上に郷の守備まで引き受けてくれている。ときどき鉄道憲兵隊や”鉄血の子供達”という立場を忘れてしまいそうになるというか……いつも陰ながら支えてくれて、本当に感謝しています。」
「……ふふ、滅相もありません。私も士官学院の出身ですからどうしても気にかけて
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