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英雄伝説〜光と闇の軌跡〜(SC篇)
第57話
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〜メンフィル帝国・帝都ミルス・マルーダ城内・謁見の間〜



「さて………ようやく皆に事前に通知した父上の婚礼の式について話せるな………」

エステルとミントが下がり、リフィアやアリア達も元の位置に戻った時、シルヴァンは口を開いた。

「………シルヴァンさん。最初に知らせをもらった時は驚きましたが、お父様の婚礼の式とはどういう意味ですか………?お父様は”あの方”以外は正妃にしないはずです。肝心のお父様に尋ねても”すぐにわかる”とおっしゃって、誤魔化しますし………」

シルヴァンの言葉を聞いたティアが申し出て、尋ねた。

「……ゼムリア大陸で活動し、時折父上達の元に帰省している姉上なら私が説明しなくても、おわかりではないかと。」

「え………?…………!!ま、まさか………!」

シルヴァンの言葉を聞いたティアは呆けたが、心当たりを思い出し、信じられない表情をした。

「リウイ!父の言葉の意味が皆にわかるようにイリーナ様と共にこっちに来たらどうだ!」

「……………フウ………イリーナ、いいか?」

「はい、あなた。」

リフィアに指名され、広間の端の方で見守っていたリウイは溜息を吐いた後、イリーナと共に玉座の前まで来た後、2人はシルヴァン達に背を向け、広間にいる全員に見えるよう振り返った。

「わあ…………イリーナだよ、セリエル!」

「ええ………!ついに蘇られたのですね………!よかった………!」

「はいです〜………ご主人様も幸せそうで本当によかったです〜……!」

美しい白の毛並みを持つ獣――獣人が多く住まう領、スリージ領の領家に仕える聖獣メルがはしゃぎながらイリーナを見て、またメルを両手で抱いていた獣人の女性――スリージ領の前領主にして、リウイの側室の1人、”神秘姫”セリエル・イオテールは嬉しさのあまり、涙を流してイリーナを見ていて、リスティも嬉しそうな笑顔で頷いた。また、事情を知るファーミシルスやルース等一部の人物達を除いた周りの人物達もイリーナを見て信じられない表情をして、ざわめき始めた。

「……見ての通り、我等メンフィルに伝わる伝説の妃にして父上の愛妻、イリーナ様がようやく現世に蘇った。……イリーナ様を知る者や、また私やカミーリのようなイリーナ様の事を父上達から教えられた私達子孫の者達にとって、これは驚き、そして喜ぶべき事だろう。……父上の婚礼の式とは他でもない、イリーナ様との婚礼の式だ。……私は民達にもイリーナ様が蘇った事を知らせる意味でも、そしてメンフィルの理想を掲げた2人を祝福する意味でも、婚礼の式をあげるべきだと思う。……反対の者はいるなら、遠慮なく意見せよ。」

シルヴァンは重々しい口調で広場にいる全員に伝わるように言った。そして少しの間、静寂に包まれた広間だったが
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