暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第2章:埋もれし過去の産物
第45話「自分を追い詰めて」
[7/7]

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話
る現実から逃れようとしているだけだ。

「(...悲しみからも、逃げようとしてたんだな。)」

  無理をする事で、悲しみから逃れる。
  ...あの無茶には、そんな意味もあったみたいだ。

「....やっぱり、辛いなぁ....。」

  前々世(ムート)の時、僕は何人もの人の死を見て来たし、何人も殺してきた。
  それ自体に罪悪感がなかった訳じゃないけど、それでもここまで辛くなかった。
  ...やはり、緋雪だからなんだろうな...。

「(....なぁ、緋雪。....僕は、どうしたらいいんだ?)」

  自問するように、物思いに耽るように、僕は心の中の緋雪に問いかける。

「(...お前が死んで、僕は途轍もなく悲しい。...あぁ、シュネーもこんな気持ちだったんだろうなとも思う。....でもさ、僕には、どうすればいいか、分からないんだよ....。)」

  どうすれば、この悲しみをなくせるのか。
  それが分からなくて。分からなくて。

  ....ただただ、空しく、哀しい時間が過ぎて行く....。





〈....マイスター。〉

「....シャル?」

  ...そんな不甲斐ない僕を見ていられなかったのか、シャルが話しかけてくる。

〈マイスター宛てに、一つのメッセージがあります。〉

「メッセージ...?」

  今更、何かメッセージを貰ったって...。

〈...差出人はお嬢様です。〉

「っ....!」

  どういうことかと、問いただすようにシャルを首から外し、近くのテーブルに乗せる。

「どういう...事だ...?」

〈...お嬢様の命令です。...マイスターが悲しみに暮れている場合、再生するようにと。〉

「....聞かせてくれ。」

  僕がそう言うと、シャルは少し浮き、映像を映し出した。









【...よし。...お兄ちゃん、聞こえてる?】

「っ.....!!」





  ...それは、紛れもなく本物の声で。
  ...どこか、儚い表情を浮かべた緋雪が、映っていた。












[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ