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銀河英雄伝説〜新たなる潮流(エーリッヒ・ヴァレンシュタイン伝)
第六十七話 機会
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だな、先ず自己紹介をしないか。いざとなったら頼れるのは此処にいる面子だけということもありえる。良く知っておくに越したことはない」

ケンプ少将が同じように周囲を見渡しながら太い声で言う。皆頷き、自己紹介を始めた。オレンジ色の髪の男はビッテンフェルトというらしい。アイゼナッハ少将は自分の名を告げただけだった。無口な男らしい。俺の指揮下に入るのだが大丈夫かな?

「メックリンガー少将、卿の役割は重大だな。言ってみればヴァレンシュタイン中将の代役だろう」
「確かにそうだ、責任重大だな」
「判っている。ヴァレンシュタイン中将には及ばんだろうが、精一杯努めるつもりだ。卿らこそ失敗するなよ、二度目はあるまい」

ビッテンフェルトとケンプの言葉にメックリンガーが答える。二度目は無い……。確かにそうだ、失敗は許されない。この機会を掴み取り、より上を目指す。此処にいる全員にとって明日をかけた戦いになるだろう。

そして俺たちを選んだヴァレンシュタインにとってもだ。俺たちが失敗すれば、当然彼も責任を問われるだろう。彼も俺たちに運命をかけたのだ。負けるわけにはいかないだろう……。





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