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三度目で
第一章

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                 三度目で
 張良子房はこの時皇帝を暗殺しようとしたが果たせなかった。それで共に暗殺しようとしたが果たせなかった力士と共に名を変えて逃亡生活を送っていた。
 彼は今はに下?に隠れ住んでいた、小さな村の粗末な家の中で密かに暮らしていたが。
 その彼にだ、共に皇帝を暗殺しようとして果たせず共に身を隠している力士が家の中で問うた。
「これからどうされますか」
「暗殺は失敗したしな」
「はい、我等は謀反人ですし」
「このまま身を隠すかどうかだな」
「山に入られますか」
 ここで力士は提案した。
「子房殿の望み通り」
「神仙になる為のな」
「修行をはじめられますか」
 張良が神仙思想に造詣が深くそれになろうと願っていることからの言葉だ。
「そうされますか」
「それもよいか」 
 そう聞いてだ、張良は。
 考える声でだ、こう言ったのだった。
「暫く天下は秦のものだ」
「暫くはですか」
「今は皇帝がいるな」
「はい」
「皇帝の力は絶大だ」
「だからですか」
「皇帝がいる間は秦はもつ」
 その間はというのだ。
「そして長く生きればな」
「秦の体制は固まりますか」
「皇帝も神仙思想が好きという」
 神仙思想には不老不死の考えがある、皇帝は自身が不老不死になろうと心から願い四海から様々な霊薬を取り寄せて口にしているのだ。
「若し不老不死になれば」
「皇帝が望む様に」
「もうどうしようもない」
「この国は皇帝の思うままですか」
「そうなる、そうなってはな」
 張良は神仙は必ずいてそして不老不死も信じている、だから自身も神仙になりたいと願っておりその考えも信じているからこそ言うのだ。
「どうしようもない」
「だからですか」
「その時のことを考えるとな」
「山に入りですか」
「神仙になるのも悪くないか」
 こう力士に言うのだった。
「最早な」
「では」
「しかしだ、皇帝は不老不死になれずにな」
「死ぬこともですか」
「有り得るだろう、昨日星を見たが」
 夜の空に輝くそれをだ。
「皇帝の星の光が曇りはじめている」
「では」
「若しかするとだ」
 こう前置きしての言葉だった。
「皇帝は死ぬかも知れない」
「不老不死になれずに」
「そうなるかも知れない」
「子房殿は星も見られますが」
「若しかするとな」
 力士に話す、真剣な面持ちで。
「皇帝は死ぬ、そして」
「そしてですか」
「天下は乱れる」
「皇帝が死ねばですか」
「秦の政は法によって無理に従わせるもの、それをしている皇帝が死ねば」
 その時はというのだ。
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