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英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜(閃T篇)
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〜マルーダ城・客室〜



「リィン様、少しよろしいでしょうか?メサイアです。」

「メサイア皇女?はい、どうぞ。」

「―――失礼します。」

メサイアの訪問に首を傾げたリィンが入室を許可するとメサイアが部屋に入ってきた。



「それで俺に何の用でしょうか?」

「はい、改めてお礼をしようと思いまして。」

「へ?」

メサイアの言葉の意味がわからなかったリィンは首を傾げた。



「リィン様が私に気付いて助力してくださなければ、私は危うく命を落とす所でした。本当にありがとうございます……」

「あ……い、いえ。どうかお気になさらず。自分は人として当然の事をしたまでですから。それよりお怪我はありませんでしたか?」

「はい、お蔭様で。それより先程から皆さんにも言おうと思っていましたが、私の事は敬わなくていいですよ?元々妾の娘ですから敬われるような立場ではないですし、この世界では本来存在しない私は皇女ではありませんから。」

「そ、そんな!例え世界が違えど貴女が皇族である事は違いありません!妾の娘であろうと、貴女は皇族。どうかご自分を蔑まないで下さい。」

メサイアの言葉を聞いたリィンは慌てた様子で答えた。



「フフ、真面目な方なのですね。―――リィン様、一つだけお尋ねしたい事があるのですが構いませんか?」

「ええ、何なりと。」

「リィン様は”魔”の存在をどう思われていますか?」

メサイアは真剣な表情でリィンを見つめて尋ねた。

「”魔”というと……悪魔とかですか?」

「はい。やはり滅ぼすべき存在だと思いますか?」

「いえ。人間に悪人や善人がいるように、”魔”にも様々な存在がいると思います。実際俺の使い魔の一人―――ベルフェゴールは”はぐれ魔神”ですがそんな悪い奴じゃないですし。」

(あら?これは何だか面白い展開になってきたわね♪)

(ふふふ、そんな気はしていましたけどね。)

メサイアの質問に答えるリィンの様子を見ていたベルフェゴールはからかいの表情になり、リザイラは静かな笑みを浮かべた。



「まあ……”はぐれ魔神”を従えているなんて、お若いのに随分とお強いのですね。」

リィンの話を聞いたメサイアは目を丸くしてリィンを見つめた。

「いえ、力で従えた訳ではなくベルフェゴール自身の気まぐれで力を貸してくれているんです。―――それより何故そんな事を?」

「…………私の両親は両方共純粋な”人間”なんです。」

「両親が”人間”?あれ……メサイア皇女は亜人族ですよね?一体何故……」

メサイアの出生を知ったリィンはある事に気付いて首を傾げた。




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