第71話
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のためよ。」
「伝えるべき言葉……だと?」
「ええ……。……ねえ、ヴァルター。どうして私を私として見てくれなかったの……?」
「!!!」
キリカに問いかけられたヴァルターは目を見開いて驚き
「貴方が父に何を言われたのか詳しいことは分からない。でも、それは私たちの付き合いに何の関係もなかったはずだわ。ましてや、ジンには尚更ね。」
「!?」
「………………………………」
更にキリカの口から語られた話を聞いたジンは驚き、一方のヴァルターは黙り込んでいた。
「……やっぱりそうだったのね。ヴァルター……馬鹿なひと。父がそういうことを考える人だとでも思ったの?」
「ジジイは関係ねぇ……俺自身のケジメの問題だ」
「ちょ、ちょっと待て……。ヴァルター!師父に何を言われたんだ!?それと俺と何の関係がある!?」
二人の会話の内容に訳がわからなかったジンはヴァルターに尋ねたが
「るせえ……てめえに教える義理はねえ。」
「ええ、ジンには関係ない。でも……私に話す義務はあったはず。そうしないで消えたのは怠慢以外の何物でもないわ。」
ヴァルターとキリカはそれぞれ答えを誤魔化し、キリカはヴァルターに視線を向けて話を続けた。
「私は……私を私として見られない人に未練なんてない。何処へなりと消えればいいし、堕ちるなら堕ちればいい。私はあくまでギルドの人間として対処させてもらうわ。」
「……ククッ……。アーッハッハッハッ!」
そしてキリカに睨まれたヴァルターが突如声をあげて笑い始めたその時”翡翠の塔”の時と同じように装置の機能も止まった。
「あ……!」
「戻るのか……!」
エステルとヨシュアが声を上げたその時、結界は解けた。
「クク……今回のお役目は完了か。……キリカ。最後に会えて嬉しかったぜ。」
「私は嬉しさ半分、憂鬱半分ね。もう会うこともないでしょう。」
「ああ……後は俺とコイツの問題だ。しかしお前、こんな時くらいしおらしく振る舞えねぇのか?最後までキツく当たりやがって。」
「ふふ……そこに惚れていたのでしょう?」
「クク……違いない。」
キリカとの会話に満足したのか口元に笑みを浮かべたヴァルターは素早い動きで屋上の手すりの近くまで移動した。
「お、おい!?」
ヴァルターの行動に驚いたジンはヴァルターに近づこうとしたが
「……ジン。どうして俺とジジイが死合うことになったのか……それが知りたければ俺を打ち負かしてみせと。ジジイがてめぇに遺した『活人拳』をもってな。」
何とヴァルターは塔から飛び降りた!
「なっ……!」
「ち
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