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英雄伝説〜運命が改変された少年の行く道〜(閃T篇)
第88話
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…何とか間に合ったわね。」

「フフ、いいタイミングだ。」

「皇太子殿下……」

「わざわざお見送りに来ていただいたのですか。」

「ええ、お世話になったからにはこのくらい当然ですから。あ……こちらの方々が”Z組”のもう一班なんですね。――――初めまして、皆さん。セドリック・ライゼ・アルノールです。この度は、姉の危機を救っていただき、本当にありがとうございました。心よりお礼を言わせてもらいます。」

セドリック皇子はリィン達を見つめた後自己紹介をして笑顔になった。



「……勿体ないお言葉。」

「あわわっ……光栄です!」

「ありがとうございます、殿下。」

「皇太子……想像してたより可愛いかも。」

「こ、こらフィー。」

「もし気にしていたらどうするんですか………」

セドリック皇子の感謝の言葉をリィン達が受け取っている中、セドリック皇子を見つめて呟いたフィーの言葉を聞いたマキアスは慌て、ツーヤは冷や汗をかいた。



「ふふっ、皆さんのようにもっと逞しくなってくれればわたくしも安心なのですけど。なんせ年下のレン姫ですら、果敢に帝都内に放たれた魔獣達と戦ったと聞いていますし。レン姫の指摘通り、セドリックにはもっと逞しくなってもらわなければなりませんわ。」

「うぐっ……」

「姫様……失礼ですよ。」

「フフ、まだ15歳だし、君達はこれからだろう。」

アルフィン皇女の言葉を聞いて唸り声を上げて疲れた表情になったセドリック皇子と、アルフィン皇女を注意するエリスの様子をオリヴァルト皇子は微笑ましそうに見守っていた。



「しかし、セドリックと貴方が一緒というのも珍しいね……?」

「はは……恐縮です。せっかくなので彼らをこのまま、見送らせてもらおうと思いまして。」

「父さん……傷の方は大丈夫なのか?」

「ああ、セレーネ君の治療のお蔭で既に完治している。」

「そうか……ありがとう、セレーネ。」

「そんな……わたくしは自分が出来る事をしたまでですわ。」

父親の傷を治療してくれたマキアスの言葉にセレーネは謙遜した様子で答えた。



「知事閣下、お疲れ様でした。」

「ああ、ありがとう。―――かなり変則的ではあったが無事、今回の特別実習も終了した。士官学院の理事として、まずはお疲れ様と言っておこうか。」

「……恐縮です。」

「ありがとうございます。」

「―――”Z組”の運用、そして立場の異なる4人の理事。色々思うところはあるだろうが……君達には、君達にしか出来ない学生生活を送って欲しいと思っている。それについては他の3人も同じだろう。」

「父さん……
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