第42話
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いよ。この乱暴な姉ちゃんが言いがかりをつけてきたんだ。」
「だ、誰が乱暴な姉ちゃんよ!」
テレサに自分の事を言われたクラムは言い訳をしたが、エステルがクラムの言い方に青筋を立てて怒鳴った。
「あらあら、困りましたね。クラム……本当にやっていないのですか?」
「うん、あたりまえじゃん!」
困った表情で近付いて尋ねたテレサにクラムは笑顔で答えた。
「女神様にも誓えますか?」
「ち、誓えるよっ!」
「そう……。さっき、バッジみたいな物が子供部屋に落ちていたけど……。あなたの物じゃありませんね?」
「え、だってオイラ、ズボンのポケットに入れて……はっ!」
テレサの言葉にクラムは無意識に答え、誘導された事に気付いて気不味そうな表情をした。
「や、やっぱり〜!」
「まあ……」
「見事な誘導ですね……」
バッジを盗んだ事を口にしたクラムにエステルは声を上げ、クロ―ゼとヨシュアはテレサを感心した。
「クラム……。もう言い逃れはできませんよ。取ってしまった物をそちらの方にお返ししなさい。」
「ううううううう……。わかったよ!返せばいいんだろ、返せば!」
クラムは悔しそうな表情でバッジをポケットから出して、エステルに放り投げた。
「わっと……」
「フンだ、あばよっ!」
エステルにバッジを放り投げたクラムはその場から走り去った。
「あっ、クラム君!」
「大丈夫、頭が冷えたらちゃんと戻ってくるでしょう。」
クラムを呼び止めようとしたクロ―ゼにテレサは落ち着いた表情で諭して後、エステルとヨシュアに言った。
「それより……ここで立ち話をするのも何ですね。詳しい話は、お茶を飲みながら伺わせていただけないかしら?」
そしてエステル達はテレサに孤児院の中に招き入れられ、その後ハーブティーとアップルパイをご馳走になったエステルとヨシュアはしばらくの間、テレサやクロ―ゼと世間話をした後宿酒場で待たせているリフィア達の事を思い出し、テレサに別れをつげてクロ―ゼと共に孤児院を出た。
〜マーシア孤児院・入口〜
「うーん、テレサ院長ってあったかい感じのする人よね」
「そうだね……お母さんって感じの人かな」
「ふふ、子供たちにとっては本当のお母さんと同じですから。」
3人がテレサの事について話していた時、白ハヤブサのジークが来てクロ―ゼの肩に止まった。
「ジーク。待っていてくれたの?」
「ピュイ」
「うん、そうなの。悪い人たちじゃなかったの。エステルさんとヨシュアさんっていってね。あなたも覚えていてくれる?」
「ピュー
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