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ほね・骨 ・Bone!!〜【30万人の骸骨が、異世界に移住した結果がこの有様だよ!】
17話 経済支配-4 「水の王者」
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していた。
彼らは……セイルンに拉致られ、悪政に苦しんだ日本人……を始めとしたっ!
インド・アメリカ・中国・朝鮮・台湾・モンゴル・インドネシア・タイ・シンガポール・ブラジル・アフリカ人!
日本列島には、大量の外人さんが住んでいるから、万単位で日本人を拉致ったら、自動的に外人さんの人生も台無しになるのだ。
確立的に言えば、日本人を50人拉致れば、そのうち1人は外人さんのはずである。

(な、なんで父上の像を倒そうとするのだっ!?)

憤怒に駆られたセイルンは止めに入ろうと思ったがやめる事にした。
暴徒と化した民衆の前に出たら、話し合いなんて通用せずにあの世行き。その程度の事は彼にだって分かる。
歴史的に見ても、暴徒と無防備交渉する奴はアホだ。フランス革命時のバスティーユ牢獄の責任者みたいな悲惨すぎる末路を迎えかねない。
今はそんな事よりも――

(ワ、ワシってそんなに人望なかったのかっ……!?)

セイルンは、奴隷たちからそんなに好かれていなかった現実を再認識し、心臓が猛烈に痛くなってきた。
もう何を頼りに、残りの人生を生きれば良いのか分からない。
日本の公園にあるシーソーのように心の安定がグラグラだ。

「「独裁者の像を倒せぇー!気高い誇りを胸にっー!」」
「「この手に自由を取り戻せぇー!同胞の仇を取れぇー!」」

イルソン像が不思議な事に、民衆のエネルギーで倒れた。
きっと、誰かが予算を横領して、基礎工事が欠陥工事になっていたんだろうなぁと、綱を引いている日本人達は思った。
広場に落ちた像は、その重量を現場に炸裂させ、バラバラの破片と化す。
その有様が、長く続いたセイルン王朝の終焉を思わせた。

(ワ、ワシはっ……!近い将来殺されるっ……!?
だ、誰か、ワ、ワシを助けてっ……!)

「「独裁者の像が倒れたぞっー!」」
「「圧政からの解放万歳っー!」」

困り果てたセイルンは、どうやって目の前にいる日本人、いや地球人達を説得すれば良いのか分からなかった。
ワルキュラ陣営が取った『甘い餌の数々』に対抗する手段が、全く思い浮かばない。

(ふ、不老の身体をプレゼントする技術っ……ワシも欲しいっ……でも女子になるのは嫌だっ……)

そのまま道に仰向けに倒れ、口からカニのように泡を吹いて気絶するセイルン国王。
記録に残らない三度目の気絶だった。
民衆は銅像の欠片を市場で売りさばくために忙しくて、セイルンを制裁している余裕なんてものはなかった。




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