暁 〜小説投稿サイト〜
ほね・骨 ・Bone!!〜【30万人の骸骨が、異世界に移住した結果がこの有様だよ!】
17話 経済支配-4 「水の王者」
[2/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
わわわわわわわっ……!)

触手達はセイルンの命を――取らない。
彼の隣を何もなかったの如く、触手を手足のごとく使って素通りしていく。

「皆の者っ!戦果報告するでござる!」

「魚を一万匹取ってきたでござる!早く淫魔ちゃんとイチャイチャしたいでござるよー!」

「貝と水草をたくさん取ってきたでそうろう!」

「拙者は高級食材のエビを取ってきたでござる!」「安売りセール中だから、意味ないでござる!質より量が重要と言ったでござろう!」「そんなぁー!?」

セイルンは、今の触手達の発言で理解できた。
市場で並んでいた無数の魚達は……この気持ち悪い化物どもが運搬していたのだと。
どうやって一万匹の魚を運搬しているのか(アイテムボックス)だったが、現実に市場に魚が並んでいる以上、認めざる負えない。
そして、ピィザ軍には勝ち目なんてものは、1%もない……残酷な現実も理解できた。
水中の中を自由自在に動き回る触手。そんなもんが川の中にいたら――水の上にいる人間達は手の打ちようがない。
川が高速道路代わりになってるセイルン王国。この国は川を支配できる存在が、交易ネットワークの支配者……『王』なのだから。

(ワ、ワシっ……!ピィザの連中が可哀想に思えてきたっ……!
絶対に勝てる訳がないっ……!化物があの触手どもを使うだけで壊滅するぞっ……!
飢えて死ぬっ……!食われて死ぬっ……っ!圧倒的な力で潰されて皆っ…死ぬっ……!)

同情したい気持ちになったセイルン。だが、即座にその思いをクルリッと180度回転させた。

(いやいやっ!待て!元はと言えば、ピィザ3世が攻めてきたのが全部悪いっ!
ワルキュラという化物が、この世界に来たのはアイツのせいだっ!
あの青二才めっ!地獄で後悔しろっ!
ワシがちょっとばっかり麻薬販売したり、住民を拉致したからと言って……本当に攻めてきよって!非常識すぎる!
なんで拉致ったくらいで戦争になるのだ!けしからんっ!実にけしからんっ!)

セイルン専用馬車を失ったのも。
セイルン専用ハーレムを失ったのも、
息子が空のお星さんになったのも、
義理の弟がエルフ娘になったのも、全部、ぜぇーんぶっ!モヒカンヘルメット被っているピィザ軍の連中が悪いに違いなかった。
おかげで、今のセイルンには何もない。
独裁者としての栄光は欠片も残っていない。身につけていた豪華な品々は、アヘン紙幣に変えちゃったし。

「……寂しいのう」

寂寥感を紛らわせるために、セイルンは歩いた。
そして、なにもないと感じた事で思い出した事がある。

(異世界から拉致った日本人もこんな気分だったのだろうかっ……?)

今まで当たり前だと思っていたものが、突然奪われた。
それは大いなる悲劇に他ならない
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ