暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは〜無限の可能性〜
第2章:埋もれし過去の産物
第37話「窮地」
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       =椿side=



「....緋雪....。」

  通信が葵に入り、全員がアースラに撤退した。
  その中で私は、私を姉のように思ってくれた緋雪の名を呟く。

「...知っての通り、今、緋雪は暴走...いや、狂ったような状態になっている。彼女を止めようとした兄である優輝は、海に落とされてしまったようだ。今、サーチャーで探索を行っている。」

  クロノが緊急会議として事情を簡潔に話している。

「その緋雪の強さなんだが...これまた厄介だ。君達には、神夜に普通に殴っただけでダメージを与えれるレベル....と言えば分かりやすいか?」

  その言葉にほとんどの人がざわめく。
  ...確か、一定未満の攻撃は一切効かないのだっけ?そしてその“一定”が結構高いと。
  ちなみに、私達未来から来た人や、“ギアーズ”と呼ばれる姉妹はよくわからないのか、首を傾げている。...まぁ、姉妹の方は実際に戦ったから恐ろしさは分かっているだろうけど。

「...間近で感じたけど、少なくともSS以上の魔力はあるよ。」

「....とのことだ。...U-Dの事もある以上、相当切迫した状態だという事を自覚してくれ。」

  私にとっては、主戦力になる優輝が倒されて、切迫どころか絶望なんだけどね..。

「....クロノさん、発言よろしいでしょうか?」

  そんな時、アインハルトが挙手する。

「なんだ?」

「...緋雪さん....いえ、シュネー・グラナートロートについてです。」

  シュネー...?確か、アインハルトが探索の時に呟いていたような...。

「シュネー・グラナートロート?...どういうことだ?」

「...今の緋雪さんの言動、行動には全て見覚えがあります。...古代ベルカ戦乱時代、“狂王”として恐れられた人物と、容姿を含めてほぼ同じなのです。」

「“狂王”...?」

  狂王と言う単語に、聞き覚えはないのかクロノは首を傾げる。
  ....私も知らないわね。
  しかし、今度はユーノが反応を示した。

「...聞いた事があるよ。確か、その名の通り、狂ったように辺りを破壊し尽くし、幼馴染だった一国の王さえも殺した悪魔だって...。」

「彼女はそんな人じゃありません!!」

「っ、ご、ごめん...。」

  そう言ったユーノに、アインハルトは憤る。
  ...文献でしか知らないのだから、それは理不尽なのだけど。

「...シュネーは、好きで破壊しまわった訳じゃないんです...。ずっと...ずっと護られて、怯えられて、罵られて...彼女の心は限界だったんです...!なのに...なのに!」

  後悔するかのように、自分たち
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