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神様になって世界を裏から操ります、黒幕は精霊です〜箱庭の絶対者〜その2
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は、ヤトにしました。 
 お互いを知るために、雑談を交わす。名前を呼ぶだけでも親近感がわくものだ。
 俺とレースは、一心同体の相棒。喧嘩して世界が滅んだら洒落にならん。
 会話が盛り上がってひと段落ついたところで本題に入るとしよう。


「ではレース、今世界はどうなっているんだ」
「いまはね、アストラハン統一帝国が大陸を支配しているわ。時間が経つにつれ腐敗していってね。一部の魔法使いが帝国を牛耳っているの。魔法至上主義っていうのかしら? さらにヒューマン至上主義でもあるから、平民や他種族が弾圧されているのよ。もう、酷いもんだわ」
「ふむ、魔法を使える王侯貴族だけに、富と権力が集中しているのか」


 詳しく話を聞くと酷い酷い。魔法というのは、血筋がものをいうらしく、貴族がその血筋を独占しているのだ。
 帝国黎明期に貴重な戦力となった魔法使いが貴族になったわけだ。
 魔法を使えない平民は、貴族に搾取される他ない。いや、平民はまだいい。彼らはヒューマンだからだ。


 リ=アースには、多様な種族が暮らしている。
 もっとも数が多いヒューマン。
 獣の力をもつ獣人。
 魔法に秀でた美しいエルフ。
 鍛冶に愛されたドワーフ。
 数は少ないが強大な力をもつ魔族。
 大陸全土を支配しているアストラハン統一帝国は、ヒューマンの国だ。
 彼らは、他種族を亜人と蔑み、奴隷として酷使していた。その待遇は、俺に怒りを沸かせるに十分だった。


 よし、帝国を滅ぼそう。
 

 同じことをレースは考えたらしく、世界の均衡を保つため魔王を生み出した。
 共通の敵が存在すれば、仲間意識が芽生えると考えたからだ。
 だが、それは失敗に終わる。
 帝国が勇者を召喚し、あっさりと魔王を倒してしまったからだ。
 放っておいても腐敗した帝国はいずれ倒れるだろう。しかし、それではだめなのだ。
 身分や種族の差別は憎悪の連鎖をうむ。膨れ上がった憎悪は、世界を破壊するだろう。
 困ったレースは、俺を召喚したわけだ。


 ここでうれしい誤算が起きる。
 平民や奴隷の扱いに憤った勇者が、帝国に反旗を翻したからだ。
 こいつは使える。俺は、勇者をうまく利用して、新たな『都合のいい』文明を造ることを決意した。





「――――≪グロウ・プラント≫  ふぅ、これで今年も無事に冬を越せそうだな」
「全くです。いやはや、精霊魔法様様ですな。麦がみるみる成長していきますね」
「その代り、味がなあ」
「ははは、成長促進の代償ならば仕方ありません。飢えて死ぬよりずっとましです。それよりも、姫様の方が心配です」
「エリィは文句も言わず食べているよ。みんな飢えずに済んでうれしいって、笑顔で
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