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ローゼンリッター回想録 〜血塗られた薔薇と青春〜
第10章 エル・ファシル掃討作戦 中編-@
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コマンドFチームが再教育を施すこととなった。

我々にとっての最初の任務はトリポリの治安維持から始まった。
心の奥底ではローゼンリッター連隊の隊員たちは「こんな任務くそくらえ!」としか思わなかったが、シェーンコップ中佐は
「まあ、気休め程度に任務をこなしとけば給料が降ってくるし、危険地手当がつくんだ。こんなにいい条件はない。」
といって何とかユーモアセンスで励ましていた。
テロ攻撃はもっと苛烈なものと思っていたのだが、正直陸戦に比べれば圧倒的な見劣りがした。
たとえば、遠距離からの迫撃砲攻撃はいつも通りの要領で打ってきた方角を割り出して、狙撃ないし即応作戦チームがヘリで急行し敵を撃破する。
もちろん敵も馬鹿ではないので、移動してるだろうが我々は奴らの退路を断ち、敵を袋の鼠のごとく殲滅する。
しかし、あるときから状況が一変した。
掃討作戦開始から2か月たったある日の作戦でのことだった
いつも通り、我々第3中隊管轄下のトリポリ市第2管区のパトロールを行っていた。
装甲車5両、その周囲を第3中隊員が徒歩で警戒する。
第2管区はトリポリ市の中で最も山岳地帯に近く、テロ発生件数は最多である管区であった。
周囲はほとんどゴーストタウン状態。
パトロール開始から20分後であった。
第2管区で最も高いビルの上から狙撃援護を行っていた狙撃・偵察小隊から連絡で、第2管区西方の建物でロケット弾らしき物品を運搬中の人物を確認。監視中とのことであった。
先手必勝であったので、疑いであってもその場に急行する。
5分後。その疑いのある建物に到着する。
そこは廃工場で前々からテロ拠点疑いの一つとして監視していたところの一つであった。
テロ掃討作戦であったので専守防衛の必要はなく、むしろやられる前につぶしに行くことが鉄則であるのでその建物に一気に踏みこむことにした。
入口から入るのも芸がないので、近くにあった工業廃水処理施設から侵入することとなった。
工場排水処理施設の排水管を伝って侵入する。
第3小隊のリヒトフォーフェン少尉の部隊がマンホールに爆薬をしかける。
少尉の「爆破!」
といった瞬間にマンホールが上に吹き飛び、少尉の投擲したフラッシュパンの破裂音がきこえる。
一気に第3小隊が侵入する。
しかし、そこには我々が期待した帝国軍ゲリラ兵はおらずパッケージが開封された対戦車ロケット弾の箱しかなかった。
地下1階の制圧を完了し、1階に駆け上がる。
1階に上がった瞬間にいきなり銃撃を受ける。
すぐさま攻撃体制に移行する。
見る限り、敵は10名とちょっと。
楽勝であった。
ベルトコンベヤーを盾に第3小隊を移動させ、正面から第2小隊を突入させる。
第2小隊が正面扉をけ破って突入。
これに驚いた敵はいきなり銃を捨てて、降伏するかに
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