第10章 エル・ファシル掃討作戦 中編-@
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その中にライフル・トマホークが入っているのは当然であったが。
内部の様子は同盟軍の交渉人につけられた隠しカメラで丸見えだ。
彼らは普通に帝国語で会話をし、交渉に入り始めた。
監視されていることに気づいていない。
そして、Dタイム:突撃開始時間になった。
中佐
−イーグル2 Dタイム開始!
の一声で突入が開始された。
それと同時に、表にいる4名の守備兵と運転手は頭をぶち抜かれる。
300m手前にいる狙撃・偵察小隊によって
内部ではフラッシュパンがさく裂し、銃撃戦が開始された。
交渉人の1人が肩を抱えて車に戻ってきた。
どうやら負傷しているらしい。
ブラスターを握って、ドア越しに応戦している。
私は各小隊に発砲命令を下していたが、どの小隊からも遮蔽物となる場所に立てこもって応戦しているようで残念ながら打てない。
少々イライラしながらタイミングを待っていたが、そいつは巧妙に死んだ運転手を引きずりおろし頭を下げ、車の中に頭をちぢこめるようにして運転し始めた。
このままでは逃げられると思った私は第1小隊と第2小隊を道路正面に展開させ、その暴走するバンに向かって一斉射撃を加えることにした。
射撃線を整えるのに10秒と掛からなかった。
300m先にバンが見えた。
150mまで我慢
そして、150m!
私は
「撃て!撃ちまくれ!」
と言って、ライフルによる一斉射撃を命令した。
バンは横転して我々の射撃線50m手前で止まった。
あたりはシンとしていた。
私は、第2小隊から1個分隊引き抜いて、そのバンに向かった。
トマホークを握りしめて、走る。
そして、バンによじ登り、扉を開けた瞬間だった!
交渉人の右手にはブラスターが握られていた!
私は瞬時にトマホークを横振りして、そいつのブラスターとともに右手を破壊した。
その次の瞬間に私は運転席に飛び降りてそいつを取り押さえた。
こうして、この一連の市街地掃討作戦は終了した。
そして、捕虜からもたらされた情報をもとにローゼンリッター連隊を含めて第2攻撃任務軍は次の段階である山岳地帯掃討作戦へ移ったのであった。
宇宙歴793年 3月のことであった。
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