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101番目の舶ィ語
第七話。千夜一夜夢物語A素直な転入生
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ないわねっ。やっぱ、どっちかって言うと、好きな人に見せたいもんだもんねっ』

『好きな人に見せるのはもっと嫌です』

『あれ、そうなの?』

『緊張して死にそうになりそうですから』

『へええ! リア、好きな人いるのね!』


ざわり!
スナオちゃんの声がロッカールーム内に響き渡り。
ざわつきが起きる。


『え、須藤さん好きな人いるの??』 『こないだサッカー部の部長さんフッてたのは、好きな人がいるからだったのね!』 『誰、理亜さんに好かれるなんて恐れ多いのは誰??』
『私、理亜さんに憧れていたのに! どこの男よ!』



女子達の驚きと、困惑、嫉妬の声が響き渡る。

『え、ええと……』

困惑気味な理亜の声が聞こえる。

『ねえねえ、リアの好きな人ってどんな人??』

『……もし、いたらの話、です』

スナオちゃんが名前の通り、素直な性格を活かして直球にリアに聞いた。
兄として、理亜に想い人がいるのは気になってしまう。
俺はいけない、と思いつつもその会話に耳を傾けてしまう。
もし、なんて言っているが、その口ぶりはいると公言しているようなものだからだ。


『いいや、今のはいるっぽい言い回しだったぜ?』

と、聞き覚えのある声が聞こえてきた。
俺はいけないと思いつつも、薄めを開けて見てしまう。
そこには、学校指定の水着、俗にいうスク水を着用しているアリサが腕を組んで立っていた。
スラリと細長く見える体つきは、健康的だが、妙な色気を含んでいる。

「アリサさん」

「よう、リア。いいじゃないか、ここでドバッとぶちまけてしまえよ」

恨みがましい視線をアリサに向ける理亜。
アリサはその視線を受け流し、リアに続きを話すように囃し立てている。

「そうそう、言っちゃいなよ!」

スナオちゃんはスナオちゃんで、続きが気になるのか、リアに催促を始める。
周りの女子達は瞳を輝かせて、今か今かと、理亜がぶちまけるのを待っている。
理亜の味方はこの場にはいないようだ。
そんな状況に置かれた理亜は、小さな溜息を吐くと。

「ええと……好みのタイプなら」

「うんうん!」

それが誰かを直接言うのではなく、漠然とした情報を伝えるという手段に出た。
苦肉の策だったのだろう。

「こう、背は高い方がいいですね」

ふむ、元々の俺は身長170pほどだが。
今のこの身体。一文字疾風は割と背は高い方だ。

「後は優しくて、頼りがいがあって、頭は良くなくてもいいのですが、お話をして面白い人がいいかもしれません。それと……」

この辺りの理想は、普通の女の子っぽいな。
なんだか安心した。

「浮気しない、一途な人がいいです」

ズキン。

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