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衛宮士郎の新たなる道
第15話 VS血斧王
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ておろうな?」
 「勿論です、総組長」
 「若の援護と支援ですね?」

 雷画の質問に間髪入れずに答える2人。
 その内の1人である石蕗和成に向かって、雷画は頭を掻きながら面倒くさそうに言う。

 「そうだが、士郎の事をいい加減“若”と呼ぶのは止してやれ」
 「総組長の言う通りだぜ石蕗和成(カズ)。士郎はがらじゃないから止めてくれって、何時も言ってんじゃねぇか!」
 「善処いたします。それと吉岡、お前もその名で呼ぶのをいい加減改めろ・・・!」

 NO.3とNo.4と言っても、2人の間に格差はほとんどない。
 表向きの武術家としての実力も、裏側での退魔師と魔術使いの戦闘力と、相当な修羅場を踏んできた濃厚さも大体同じ位だった。
 それ故に、こんな軽口を叩け合えるのだった。

 「お前が士郎の奴の“若”呼ばわりを卒業できたら止めてやるよ!ま、今迄総組長に何度も言われて止められた事が無かったお前に、出来ればの話だがな、カズ!」
 「貴様・・・!!」

 軽口を叩き合えるが、2人はある種の犬猿の仲。
 顔を合わせて口を開けば何時でもこうなる。
 それが例え緊急時であり、雷画の目の前であろうとも。

 「お前達こそいい加減にせんかッッ!!時と場を弁えられんのか、馬鹿共が!殺し合うのも、優劣付け合うのも“今”を乗り切ってからせんかッッッ!!!」

 部下の醜態に堪忍袋の緒が切れた雷画は、怒気と闘気を込めて2人を藤村邸からたたき出す様に吹っ飛ばした。
 藤村邸の敷地外に放り出された2人は、そこで漸く頭を冷やしてそのまま現地に向かう事を選んだ。 だって、今戻ったらガチで切り殺されそうだし。


 −Interlude−


 少し遅れて九鬼極東本部。
 そこには九鬼従者部隊の序列永久欠番と二位と三位の3人の老執事達が、ある部屋に集まっていた。

 「コイツは・・・英霊だと!?」

 現地に飛ばしたマープルの使い魔に付けた映像カメラにより、映し出された動画には山中の中腹にて見た目からでも容易に解る程の荒々しい英霊が見て取れた。

 「映像も確かだ。認めがたいが受け入れなければならないね」
 「未だ魔術師の特定が済んでいないと言うのに、天は余程我々人に試練を与えたいようですな」
 「だがそんな泣き言など言ってられんだろう。打って出るしかあるまい」

 九鬼の一族と他数名以外には、ただでさえ普段から威圧的にふるまっているヒュームの周りに漂うオーラが、決意と覚悟を持ったためにいっそうに凝縮された。
 それはまるで、殺気を纏っているかの様だった。
 一般人はもとより、それなりの実力者程度でも怯えさせかねないほどのオーラだった。
 そんな剣呑さを露わにしているヒュームへクラウディオが声を掛ける。
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