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とある科学の傀儡師(エクスマキナ)
第9話 感知
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レベルアッパーについての話し合いから一夜明けた日。
昼過ぎくらいになれば、容赦ない日光の強襲が窓から持たされている。
停電から復旧はしたのだが、重病患者に向けての医療施設ばかりが稼働しているだけでサソリのように元気良くランニングをしてくるような輩には、冷房など贅沢と言わんばかりに着いていない。
「たかが、走っただけであんなに怒らなくてもなぁ」
朝からグチグチと看護師に怒られたサソリは「布団など被ってられるか!」とイラ立ちながら足元に丸まっている折りたたまれた布団を蹴りだす。
「そこまで元気になって良かったですね」
初春はサソリの病室にいた。
レベルアッパーの件に新しい情報が入ったので、サソリの病室にお見舞いがてら報告に来たのである。
「という訳でレベルアッパーというの音楽だったんですよ」
初春は寝転がっているサソリに向けて興奮気味に説明している。
「何でオレに向かって話すんだ?」
「一応、気になっていると思いまして」
「まあ、別にいいけど……外部の人間に言わねえほうが」
「はう!そうでした……また白井さんに怒られちゃいます」
しまった!と目を見開いて驚きの表情を浮かべる。
「っでそのレベルアッパーという代物は?」
「はい!これになります」
初春はレベルアッパーをダウンロードした音楽プレイヤーを机の上に出した。
「こんなチンケなものにねえ……」
まじまじと音楽プレイヤーを手に取って見てみる。
「ここに音が入っているのか?」
「はい!あっでも、聴かないでくださいね。まだ副作用の危険がありますから」
「分かっているって」
音か……
旋律で幻術に嵌めるやり方もあるから、やはりその方面かな。
「使い方が分からんな」
「知らないんですか?」
「ああ、笛や楽器で鳴らすのは分かるんだが……こんな小せえ四角の物体に入っているとは思えん、形だけでも見せてくれ」
と初春に手渡す。
「えっとですね。これを耳に入れまして」

初春が自分の耳にイヤホンを入れると使い方の説明を始める。
「ほうほう、周りの人間に危害は及ぶか?」
「いえ、これをしていると聴けるのは本人だけですね」
「そうか」
サソリの質問に調子良く解答していく初春。なんか学校の先生になったようで得意げだ。
「あとはここのボタンを押しますと音楽が」
「ほお、ここか」
とサソリが円形状にあるボタンの下部分に指を掛ける。
サソリの口元に不気味な笑みが浮かんだ。
ゾゾッ!!
初春が流石にこれから何をされるかわかり、慌てて耳からイヤホンを外した。
「ちょ、ちょっと危ないじゃないですか!?」
「ちっ、気づいたか!惜しい」
間一髪でした。

音楽プレイヤーから手を放すと、サソリは手にチャクラを集中させたり、糸を出したりと何かを確かめるように手を開
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