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鎮守府の床屋
前編
3.賑やかな人たち
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 鼻に裂きイカ突っ込んだりやたらガッチリとチョークスリーパー極めてきたり……かと思えば左右からおれの顔を思いっきり挟み込んだり……ちくしょうこいつら好き勝手やりやがって……特に球磨……お前、やっぱり俺を殺す気マンマンだろ白状しろ……

「くぅ〜……まぁ〜〜」

 ちくしょうはにかんだ笑顔なんか見せてきやがって……ドキッとしたおれの純情を返せこの妖怪張り手女……

 ここのやつらは面白い奴らだってことは認めてやる。賑やかなやつらだってことも認めてやる……でもお前ら……限度ってものを勉強しろ限度ってものを……

「くまくまっ♪」

 翌日、俺が目を覚ました時、俺の部屋は、艦娘たちが酔いつぶれて眠りこける酒臭い地獄絵図と化していた。隼鷹の姿こそ見えないが、川内と北上が床の上で雑魚寝をしている。一升瓶が転がり、川内はよだれを垂らしながら『やせー……ん……』と呟いていた。隼鷹の姿が見えないのは、全員がくたばった後に一人で宿舎に帰ったのかも知れない。あるいは、隼鷹が帰った後も酒盛りがここで続いていたのか……

 自分の口と鼻の中に充満する裂きイカの匂いに気付いた。何の気なしに鼻に触れてみると、俺の鼻には裂きイカが大量に刺さっていることに気付いた。刺さった裂きイカは鼻から口に抜けていて、抜き取るのに一苦労だった。

「んー……」

 そして、昨夜核ミサイル級の破壊力を誇る笑顔で俺の純情を弄んだ妖怪ハニカミ女は……

「……重てぇ」
「クマー……クマー……」

 俺の腹を枕にして大の字で寝ていた。

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