暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン リング・オブ・ハート
34:笑わせないで
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「うそ……こんなの、嘘よ……」

 マーブルは地に膝をついたまま、目の当たりの光景に僅か首を左右に振りながら言った。
 そんな彼女を、死神――ユミルは、なんの感情も込めずに見下ろした。

「嘘じゃないよ。ボクのカーソルの色、見て分からない……?」

 それは、奇しくも彼の不気味なステータス上昇エフェクトと似た、禍々しいオレンジ色。

「じゃあ……ユニコーンを独占しようとしてるのも、これまでたくさんの人を襲ったのも……」

「ボクだよ」

 彼は即答した。なんの悪びれも無ければ、なんの誇張すらもない、ただの無味乾燥な肯定。

「……それより、マーブル……さっき、面白い事を言ってたよね」

 大して面白くもなさそうにユミルはマーブルを見下ろし続ける。

「ボクが犯人だったら、マーブルはキリト達の敵になる、って。……どうするの? それともボクと戦う?」

「…………!!」

 意外な問いに、マーブルの肩が大きく震えた。

「…………………」

 彼女は長く沈黙し……そして、立ち上がると同時に震える両手でゆっくりと大鎌を構えた。

 ……俺達に向けて。

「なっ……」

「マーブルさん!?」

 アスナは今度こそ純粋に驚愕し、数歩退く。だが今は迷いで彼女に剣を向けられないでいるようだった。

「マーブルさん、ダメッ!!」

 遠くから動けないリズベットが叫ぶも、マーブルは僅かに目を伏せ、ゆっくりと首を振った。

「……本当に、本当にごめんなさい。……だけど、私はさっきも言ったわ」

 ガシャ、と大鎌の切先を、最も近いアスナに向けて此方を向きながら、マーブルはユミルの方へと歩み寄り俺達から遠ざかる。

「私には……これしか、出来ることがないのよっ……!」

 その顔は、迷いと迷いがせめぎ合い、今にも涙を流して崩れてしまいそうな……あまりに脆い、苦渋と悲しみの表情だった。

「今まで私は、この子に何もしてあげられなかった、なにも変えてあげられなかった。……ならせめて、この子が思うようにしてあげたいの……! この子だって、なにか理由があってこんな事をしているはずなのよ!」

「そんなのっ……」

 倒れるリズベットは、満足に動かぬ手で地面の土をぐしゅ、と強く握り潰した。そして叫ぶ。

「そんなのっ、あたし達だって分かってます! でも、やっぱりそんなの間違ってる!」



「――だったらどうすればいいのよッッ!?」



「っ……!?」

 リズベットの叫びに、マーブルがそれ以上の声で叫び返した。その勢いで、ついに彼女の目の端から小さな涙の粒が弾け飛んだ。

「今からこの子を力尽くで捕まえて、牢獄に連れて行くの!? ならこの子は、一人ぼっちの
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