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真・恋姫†無双 劉ヨウ伝
第173話 総攻め
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 早朝、孫権と甘寧が正宗の元を訪ねてきた。

「母をお助けいただきありがとうございました」

 孫権は正宗に拱手し礼を述べた。

「気にせずともいい。用向きを聞かせもらえるか?」

 正宗は孫権に聞いた。

「姉から子細を聞きました」

 孫権は真剣な顔で言った。彼女の雰囲気から正宗は彼女が孫策から聞いた話の内容が孫権の仕官のことだろうと理解した。

「考えは決まったのだな」
「はい」

 孫権は即答した。彼女からは迷いは感じられなかった。よくよく考えての答えであることがわかる。

「私が清河王に仕官すれば母の失態を見逃して下さるのですね?」

 孫権は正宗への返答するなり、単刀直入に正宗に質問した。

「孫文台を長沙郡太守から罷免することは確定事項だ。しかし、お前が私に仕官すれば論功行賞にて城門を破壊した功績を鑑み、孫文台に新たな官職を用意することを約束する。お前と孫伯符が総攻めにて功績を挙げれば、それに応じた恩賞も約束する」

 孫権は正宗の提案に深く頷いた。

「清河王、仕官のお話喜んでお受けいたします。ただ」

 孫権は言いにくそうに口を閉じた。

「申してみよ。今日より君臣の関係となるのだ。遠慮せず申してみよ」

 正宗は孫権に話をするように促した。

「一つお願いがございます」

 孫権は正宗に恐縮そうに言った。

「願いか」

 正宗は一瞬渋い表情をするも観念した表情になった。

「申してみよ」
「私が母の元を去れば、政治向きのことで不安があります。有能な士大夫をご紹介いただけませんでしょうか? 出来れば内政を滞りなく運営できるだけの文官を何名かご紹介していただきたいと思っています」

 孫権は正宗にまとまった人数の文官の紹介を求めてきた。

「私が紹介する文官を側に置くことの意味は理解しているか?」

 正宗は孫権を観察するように見ていた。

「存じております。孫家は清河王の傘下に入らせていただきます。臣下が主君より部下をご紹介いただくことに何ら不都合があるとは思えません」

 孫権は正宗に澱みなく言った。正宗が紹介する文官ということは、その文官は正宗の息がかかっていることになる。孫家の人事を考えれば、正宗が紹介した文官は孫家の内政を担うことになるだろう。これは孫家の内情を正宗に完全に把握される恐れが十分にあり得る。

「孫仲謀、その考えはお前の考えか?」
「母と姉と私でよくよく熟慮し結論を出しました」
「孫文台と孫伯符は反対しなかったのか?」
「母と姉も賛成しました。私は以前から清河王に人材を紹介していただきたいと思っていました」

 孫権は一瞬に言葉に詰まる表情をするも平静を装い正宗に答えた。正宗は孫権の雰囲気の変化を
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