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IS インフィニット・ストラトス〜普通と平和を目指した果てに…………〜
number-36
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、ため息を一つ。それから再びラウラに話しかける。


「情報提供があったのだよ。それもかなり確証性の高いものをな。これを見ろ」


 ラウラの目の前に放り投げられたものは書類であった。それもかなりの紙の量である。その一枚目には『ラウラ・ボーデヴィッヒ少佐の周辺調査及び監視報告』と書かれている。


「そこにはお前が世界規模のテロ行為を画策するところ、亡国機業(ファントム・タスク)幹部のスコール・ミューゼルと接触している写真が載っている。ほぼ疑いようのないものだ」
「……っ、私は知らない……本当に知らないんだ」
「貴様ぁっ! ここまで証拠があるのにしらばっくれるのか!?」
「やめろ」


 中将は中佐を制すると再びため息をついた。
 本当に知らない様子で彼は驚いていた部分があるが……それは語らない方が良いモノであり、軍部の闇であった。
 ――何もかもあいつの言うとおりか。確かにこれではどれだけ重くても追放だ。結局掌の上で踊らされてるのか。…………言いなりになるのは癪だが、仕方があるまい。


「お前がいくら否定しようが、こうして証拠としてあげられてしまっているのは事実だ。反逆罪は即刻処刑なのだが……お前がここまでIS部隊を大きくした実績等を含めると情状酌量の余地はある。何より、お前自身が何も知らないというからな。これは俺の方で預かる。――――ラウラ・ボーデヴィッヒ少佐!」
「は、はいっ」
「本日をもってドイツ軍から追放及びドイツ国内からも出でもらう。その先は知らん。だが、今のお前の所属にはIS学園も含まれている。よって、そこに行けばよい。それとなんだその服装は、おいこいつにIS学園の制服を用意してやれ。……以上だ。あとはお前の人生だ、好きにしろ」


 ドイツ軍籍とドイツ国籍剥奪。
 彼女の十数年生きてきた居場所がなくなることを意味していた。失意のまま中佐に連れられて退出していくラウラ。その後ろ姿を扉が閉まるまで見送る中将は、扉が閉まると椅子にもたれかかり、天を仰いだ。


 彼女が訓練生の時から知っているヴィルヘルム中将は、どうしても冷酷になりきれなかった。それをあいつに利用された形になってしまったが、それをどこかで安堵している自分がいることに苛立ち、そして彼女を引き留められない自分を恨んだ。そして何よりも――――


「どうしてあんなに変わっちまったんだよ、馬鹿野郎が……」


 ――――ラウラ・ボーデヴィッヒという存在が変わったしまったことを嘆いた。


 ◯


「織斑先生っ!!」
「どうしたんだ、山田先生」
「ラウラさんが……ラウラさんが、ドイツ国籍と軍籍を剥奪されて追放されたってヴィルヘルム中将から電話がありました……」
「なにっ、どういうことだ」
「私にも
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