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クラディールに憑依しました 外伝
お店を開きました
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庫兼店だよ、店の準備中に退屈して寝落ちしたの忘れたのか?」

「――――嘘!? 今日はあたしの家を探すって、依頼されたオーダーを無理して終わらせたのに…………もう日没?」

「張り切り過ぎて疲れに気付かなかったんじゃないのか? また次の休み作って頑張って探すんだな。

 …………眠気覚ましにコーヒーでも飲むか? 開店サービスだ」


 俺の合図に合わせて、白と黒のメイドがトレイを持ってテーブルにカップを用意する。


「――――あれ? クラディールさん? このNPCどこかで見たことがある様な気がするんですけど? どこでしたっけ?」

「あたしも、何か見た事ある様な? 何かとんでもない様な?」

「ウチの白餡と黒餡に何か文句があるなら聞くぞ?」


 即興で思い付いたネーミングに白と黒のメイドが目だけを動かし、抗議の視線を俺に向けてくる。


「白餡さんと黒餡さん、ですか…………」

「物凄い適当な名前ね、もう少し良いのは無かったの? こんなに可愛いのに」

「じゃあ、白がアムールで黒がクラージュ」


 お、今度は気に入られた様だな、二人とも無表情だがご機嫌なのが何となく解る。


「まぁ、あんたのネーミングにしてはまともね、それで良いんじゃない?」

「よろしくお願いしますね、アムールさん。クラージュさん」


 笑顔で挨拶をするシリカをアムールがじっと見詰める。

 ――――さっきの事まだ引き摺ってるのか。


「シリカ、アムールがお前の事を気に入ったみたいだぞ、仲良くしてやってくれ」

「はい! もちろんです!」

「………………むー。やっぱりクラージュをどこかで見たような気がするんだけど――――思い出せない」

「まぁ、思い出せる時に思い出すだろ、さっさとコーヒーを飲め、冷めちまうぞ」

「そうね、考えたって仕方ないか、そういえばアスナ達は?」

「さっき連絡取れたが、戻ってこれたら見に来るそうだ、今日は無理だろうな」

「今頃何処で何してるんだか」

「さあな、人の恋路を邪魔したって何一つ良い事無いからな」

「アスナのあれって、恋愛と言うよりは出来の悪い弟の面倒を見る姉に近くない?」

「あいつお兄ちゃん子ぽいからな、世話の焼ける弟が欲しかったんじゃないか?」

「そんなの判るんだ?」

「性格から判らないか? 一人っ子だともっとズケズケと我侭口にするぞ? 自分第一、我を褒め称えよってな」

「流石にアスナはそんな性格じゃないわね」

「弟とか下の姉妹が居ると、もっとお淑やかだったり、男に世話焼いたりするのに飽きてるからな。

 キリトに対する態度を見てると、自分も構って欲しいけど世話を焼きたいって感じだし。
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