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シークレットゲーム 〜Not Realistic〜
ゲームの終わりと始まり
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としたら……? その様な状況に身を投じさせた、としたら……?」

 モニター越しにだが、興味深そうに聞き入っているのが解る。
 僅かだが、鼻息が聞こえてきたのだから。

「そして、更に。妹と恋人を大事にする清廉な彼とも手を組んでいたら……。そこに≪彼≫が加わったとすれば、我々にも見た事の無い≪ゲーム≫となっていたかもしれません。―――もしかしたら」

 男は、ひと呼吸置くと、ゆっくりと言葉を紡いだ。

「……過去のどんなゲームでも見た事の無い結果となってしまったかもしれません」

 その言葉を待っていた、と言わんばかりに、スピーカー越しから 声が続いた。

「なるほどなるほど。……ふふ、面白いではないか。どちら側に転んだとしても面白い。……うむ、その結果、我々の意向とは異なる結果となったとしても、望むところだな。あの男は神出鬼没だ。意向と異なる事態。それは、こちら側にも喰いつき兼ねない、と言う事。それ程の存在だからな」

 組織幹部が愉快そうな笑い声を上げた。
 その≪男≫と言う存在を楽しみにしていた。そして同時に同じ位……畏れもしているのだから。

―――……嘗て無い緊迫感が得られるゲームを愉しめる。

「まぁ、全ては過ぎ去ってしまった事ですから、このようなケースを望む事は不可能ですが……、あるいは別の世界では、全く別の展開と、そして 全く別の結末が待っていたのかもしれませんね」
「うむ……。別の世界でもし……、≪彼≫が今回のゲームに参戦したとしたら、ゲーム設定の変更も意に反さなかっただろう」

 司会の男も、そして幹部の男も愉快そうにそう返した。
 だが、それを聞く≪客≫たちのいったい何人がそんな結末を望んでいるだろう。

 更なる血を欲するものばかりである事を重々承知しつつも、男は微笑んで続けた。

「……もしそのような展開をお望みの方がいらっしゃいましたら、お気軽にご意見をお寄せください。私どもはユーザーの皆様が望む展開が実現するよう、最大限の努力を惜しまないものであります」

 そして……男は一礼をし深く頭を下げ。

「されではまた……、次のゲームで!」

 その宣言と共に、モニターは闇で包まれた。











――ここまでが1つのゲームの終わりであり、ここからが新たなゲームが始まるのである――








 それは《何処か別の世界》での出来事。



 そこは とても冷たく……暗い場所。否、温度など全く感じられない無機質な空間だった。仮に世に地獄と呼ばれる場所があるとするのなら……或いはここがそうなのかもしれない。
 
 場所の雰囲気だけでなく、その場に集う人間も何処か表情は暗い。だが、感じるのはドス黒い殺意を孕
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