暁 〜小説投稿サイト〜
D&Dから異世界に迷い込んだようですよ?
2話
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いに視線を合わせる。
 それは一瞬の事だったが、黒ウサギに何かを決意させた。
 彼女がウースに一歩近づく。

「それでは、黒ウサギが天幕の外にご案内します」
「ああ、頼むよ」

 黒ウサギが先導して歩き始める。ウースもそれに続く。
 何かを気づいたようにジンの方に振り替えると、
「悪いが、昼飯は要らないと伝えてくれ」
とだけ言って、また歩き始める。

 一人残されたジンは、ウースの伝言を伝えるために、屋敷に戻っていった。
 数分程歩き続けると、ウース達はレンガ造りの町にいる。中世ヨーロッパ風の町並みの先には、見上げるほど高い外壁が立っていた。
 外壁を指差しながら黒ウサギに問いかける。

「あれが箱庭の外と中を別けるという」
「はいな。外門でございますよ」

 彼女もウースに答えを返した。

「あの外には魔獣、幻獣が数多く生息していますので、ウース様のご期待に沿えることかと」

 二人は街中を並んで歩いていく。ウースの目に町の住人が、活気のある光景を作っていた。
 角を生やしたり獣の耳を生やしたりと、雑種混合の光景。基本的に人型の形態を取っている様で、完全な獣の姿は稀のようだ。
 その光景を面白そうに目にしながら、ウースは黒ウサギに話しかける。

「しかし、意外だったな」
「何がですか」

 彼の意図が解らず、黒ウサギは首を傾げる。

「いや、あの子達の為に獣を狩ったことがなかったみたいだからね。それに、その力があれば彼等を養うのは十分だと思うのだが?」

 ウースは、黒ウサギの実力を大体把握していた。だからこその質問である。
 あの屋敷の子供達はやせ細ってこそいないものの、栄養が十分に足りているようには見えなかった。
 そのことを指摘すると、彼女は一瞬目を大きく開ける。直ぐに冷めた目をして、口を開いた。

「実はですね」

 自身は審判権限を持っている事。これにより幾つか縛りがあること。その為、狩り。即ち、狩猟のギフトゲームができないことを告げた。

「なるほどな。っと」

 黒ウサギの説明を聞いているうちに、箱庭の外に行く門。即ち、外門にたどり着いていた。
 黒ウサギは外門を開こうと近づく。その姿にウースはある質問をぶつけた。

「ああ、そうだ。ここに来る途中で、やたら虎の文様をした旗が飾ってあったが、あれは何かのグループなのか」
「っっ」

 一瞬黒ウサギは言い淀んだ後、直ぐに説明しだした。

「Y、YES。あれはあるグループの一員である事の証なのです」
「なるほどね」

 ウースは彼女の説明に頷く。
「じゃあ、行こうか」
「はいな」
 黒ウサギと共に外門をくぐって行った。
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