暁 〜小説投稿サイト〜
男は今日も迷宮へと潜る
第六話
[1/3]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
────

行ったり来たりの人の波。
西の大通りは今日も労働者や冒険者でごった返していた。
方々の酒場からは笑い声やがなり声が響き渡り、大通りの喧騒を作り出している。

「賑やかだねぇ」

「嫌いですか?こういうの」

「いや。全然」

人ごみを掻き分けながら歩くスーツの禿男と民族衣装を着た少女。
余裕が出来たので、外食でもしようかという話になり今に至る。

「いっぱいありますね・・・・・・どのお店にしましょうか?」

「そうだねぇ。値が張ってもいいから旨いとこがいいなぁ。
やっぱ装備代ロハってのはでかいね」

武器と防具に割く費用が無いと言う利点は大きい。
マサの懐から出てくる武器類は、マサの手を離れると消滅する。
そしてまた懐に手を突っ込むと仕入れたときの状態、即ちほぼ新品で出てくる。
銃弾も同様に空薬莢、空弾倉はそこら辺に放ると消え、懐から幾らでも出てくる。
防具にいたってはそもそも怪我を避ける必要もない。再生するのだから。痛いけど。

「あれなんてどうしょう?賑わってますよ」

イシュタムが指差したのは一軒の酒場。
『豊饒の女主人』。通りに数ある酒場の中でも一際大きな造りだ。
漏れ出てくる明るい雰囲気、そして落ち着いた内装に旨そうな料理。
その中ではウェイトレスが愛想よく笑顔で飛び回り、それに伴い笑い声が起こる。

「ほぉ。いい雰囲気だな。嬢ちゃん、あんた見る目あるんでないの?」

「いやぁそれほどでも」

「さぁ!お腹も空きましたし、さっさと入りましょう!」

言い終わるや否や、イシュタムは店に向かいテテテと走り出す。
神と言えども見た目相応に中々子供っぽい一面がある物だ。

「わかったわかった。ほらそんなに急ぐと──」

駆け出したイシュタムの足に長いポンチョが絡まる。
べちっという音と共に転倒。中に着ている丈の短いチュニックから白い布がチラリ。

「ほぉれ。言わんこっちゃねえ。大丈夫か?」

「う゛ぅ。すみません・・・・・・」

こけたイシュタムを助け起こし、二人は賑やかな店内へと足を進めた。

────

「ですからぁ!マサさんは言わばスーパースターなんですよぉぅ!」

「はいはい・・・・・・わかった。分かったから・・・・・・」

「いやぁ、全然分かってません!いいですかぁ!あなたはですねぇ・・・・・・」

銀髪の快活な店員に案内された席は四人がけで窓際の四角いテーブル。
そこに対面するように座り、適当な料理と酒を頼み早数十分。
そこにはすっかり出来上がった褐色美少女と、それに絡まれる強面禿男という奇妙な構図が出来ていた。

「嬢ちゃん、あんた酒癖悪いのな・・・・・・」

「そう!特にあの湿地戦の時ですっ!

[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ