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雲は遠くて
103章 信也たち、ゲス乙女のことや、男女のことを語り合う 
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103章 信也たち、ゲス乙女のことや、男女のことを語り合う

 1月23日の土曜日、午後4時過()ぎ。空は一日曇り空で、気温も7度ほどと寒い。

 川口信也と信也の彼女の大沢詩織、新井竜太郎と竜太郎の彼女の野中奈緒美、
その四人が、やきとりと書かれてえる大きな暖簾の、もつ焼きの店に入る。
炭火でモツを焼く煙が、大きな換気扇から、外にモウモウと放たれている。
カウンターと座敷、30席があって、店内は禁煙で、モツを焼く煙もなく、清潔感があった。

 店は下北沢駅(しもきたざわえき)から3分の南口商店街にあった。
信也が課長をしている外食産業の会社モリカワが全国展開している、
『モリモツ』1号店、本店である。

「ストレス解消には、竜さんやしんちゃんや詩織ちゃんたちと、お酒飲んで、
楽しく(さわ)ぐのが、一番だわ!」

 予約してあった座敷のテーブルにつくと、奈緒美は、可憐な笑顔で無邪気にそう言った。

 奈緒美は、人気も上昇中のモデル、タレント、女優で、
竜太郎が副社長をつとめるエタナールの、芸能プロダクション、クリエーションの所属だ。
 奈緒美は、1993年3月3日生まれの22歳、身長は165センチ。

「あっはは。奈緒美ちゃんも、いまは、お仕事が(いそが)しいから、
人間関係とかでも、大変なんだろうね。
人間関係って、一番のストレスのもとだからね。
まあ、今宵(こよい)は、気を使うことのない仲間だけだから、楽しくやりましょう!」

「竜さんも、しん(信)ちゃんも、優しくって、紳士だから、大好きですよ。
ねえ、詩織ちゃん!」

 奈緒美が、テーブルの向かいの詩織にそう言って微笑(ほほえ)む。

「うん、竜さんも、しんちゃんも、心があったかいよね。思いやりがあるから、好きだわ」

 信也の隣に座る詩織はそう言って微笑む。
ビール風低アルコールのホッピーのジョッキに口をつける。
詩織は、1994年6月3日生まれ、21歳、身長163センチ、
早瀬田大学・文化構想学部3年生、
ロックバンド、グレイス・ガールズの、
ギターリスト、ヴォーカリストである。

 突き出しの()け物の茄子(なす)もおいしく、大皿(おおざら)の、
タレ味のシロやアブラ、塩味のカシラやハツなど、
どれも最高に美味(おいし)く、追加の注文もした。

「おれは、男として、詩織ちゃんや奈緒美ちゃんには、
絶対に、いつまでも、幸せでいてもらいたいんだ!ねえ、竜さん!」

 信也が、ホッピーで、上機嫌になって、そんなことを言った。四人とも、ホッピーを飲んでいる。
信也は、1990年2月23日生まれ、25歳、外食産業モリカワの課長、
ロックバンド、クラッシュ・ビートの、ギターリスト、ヴォーカリストであ
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