第8話 アウトローに主夫が征く
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である事には変わりは無かったが。
そうこうしている内に目的地のボロ家に辿り着いた。
「シロ兄ぃ、此処?」
「ああ、中に居るのは『辰』だけみたいだな」
呼び鈴も無いがノックもせずに入っていく士郎に、小雪も付いて行く。
「スゥー・・・スゥー・・・」
中に入ると、水色の長髪の女性が白い枕を抱いて寝ていた。
よく見なくてもかなりのナイスバディ。だからか小雪は、士郎に疑問をぶつける。
「もしかして、シロ兄の彼女さん?」
「いや、違うぞ。彼女はこの家に住む5人の内の1人で家事担当だ。因みに、見てる通り寝るのが好きなんだ」
士郎は小雪の質問に答えつつ、買いだした大量の食材食品類を鍵付き冷蔵庫の鍵を開けてから中に入れていく。
「ん〜・・・・・・シロォ〜?」
買ったモノを冷蔵庫に入れる時の音で気づいたのか、板垣姉弟の次女である板垣辰子が枕を抱えたまま起き上がった。
「ああ、月末だから食材類切れてると思ってな。買ってきたから入れてくぞ?」
「アリガスゥー・・・スゥー・・・」
「喋ってる途中で寝ちゃったよ、この人!?」
マイペース過ぎる辰子に、流石の小雪も驚いた。
だが士郎からすれば何時もの事なので、振り返る事なく聞く。
「寝てもいいから1つだけ聞かせてくれ。他の4人は何時帰って来る?」
「ん〜、アミ姉と天ちゃんは師匠と一緒に修業に行ったよ〜。お昼までには帰ってくスゥー・・・」
「また!?」
「辰子」
まだ聞き終えてないと言う事を口にしないで、名前を呼ぶことで促す。
「・・・・・・ん〜、竜ちゃんはいつ帰って来るか分からないよ〜スゥー・・・スゥー・・・スゥー・・・」
士郎の質問に答え終えたから、今度こそ眠りについた。
「凄いマイペースな人なのだ・・・」
「小雪には言われたく無いと思うけどな」
「ボクは此処までじゃないよ!」
士郎の発言に怒った小雪は、苦情を呈する様に背中を叩く。
「悪かったよ。明日の朝まではマシュマロ作っとくから、勘弁してくれ」
「食べ物で釣るのは如何かと思うけど、しょうがないから許してあげるよー。それで、シロ兄は何作ろうとしてるの?」
「シーフードカレーだ。どれだけ凝ったもん作っても食べるには食べるだろうが、此処の5人は見た目は自分が食べた事のあるモノを好むからな」
言いながら何時もの様に鮮やかに繊細に、そして迅速に調理を進めていく。
そんな何時もの様に真剣な眼差しで調理する士郎の横顔を覗き見乍ら、小雪は楽しそうに待つのだった。
ーInterludeー
時刻は昼前。
カレーを作り終えた士郎だったが、未だ4人が帰ってこないので待っていた。
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