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遊戯王GX−音速の機械戦士−
―明日香―
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 吹雪さん主催のイベント。いつの間にか開催が決まっていたソレに呼ばれ、俺はオベリスク・ブルー寮のパーティー会場に続く廊下に立っていた。会場からはかなりの数の声が聞こえて、随分と賑わっているらしい。吹雪さんが何を考えているのかは分からないが、とにかくあの人はエンターテイナーだと実感する。

『会場にお集まりしてくださった紳士淑女の皆様。今日は急なお誘いすまないね』

 廊下に設えられたテレビ画面から、パーティー会場の映像が映る。そこでは、ワイヤーで吊された吹雪さんが空中を飛翔しており――先程ダークネスの力を使ってデュエルし、倒れていた筈なのだが――そこからマイクで会場にいる生徒に呼びかけていた。

『この指の先には何が見える……?』

『天!』

『んんんんんッ上院!』

 吹雪さんのいつものやり取りに、ついつい顔を綻ばしてしまう。それとともに、あの異世界から帰ってきたのだと――改めて、強く強く実感する。

『エンジョイン! 天上院! アカデミアのブリザード・プリンスの登場さ。親しみを込めてフブキングでも構わない!』

 観客席から黄色い歓声と『フブキング! フブキング!』などという、妙に語呂がいいコールが響く。それも吹雪さんが手を上げるとさっと止まり、さらに吹雪さんは演説を続けていく。

『でも、誰にだって別れはくる……僕たちはもう卒業だ。いや、僕は留年してるんだけどね?』

 ダークネスと三幻魔の計画に巻き込まれた吹雪さんは、確かに自分たちと同じ学年になっている。かなり悲壮感漂う境遇ではあるのだが、全くそれを感じさせないのは、吹雪さん故か。……辛いのは、自分だけではないということか。

『だからみんなと思い出を作りたい。題して卒業タッグデュエル大会の開始を、ここに宣言する!』

 卒業タッグデュエル大会――卒業生は卒業生、在校生は在校生の男女ペアでのデュエル大会だと、観客席中から響き渡る歓声に負けじと、吹雪さんはパフォーマンスも交えて説明していく。

『という訳で、まずはエキシビションマッチといこう。僕が選んだ二人のデュエリストによる、ね』

 ということだから、頼むよ――という吹雪さんの声が、テレビの下に置かれていたイヤホンから流れた。ご丁寧にマイクまで置いてあり、エキシビションマッチに出る準備は万端だ。諦めてデュエルディスクの準備をし、パーティー会場へと歩いていく。

『そう、彼はいつでも不死鳥の如く蘇ってきた。その名はかのデッキとともにあり。黒崎遊矢vs――』

 妙なあだ名がつけられていることに笑いながら、俺はパーティー会場にいくつか設置されていた、とあるデュエル場へと足を踏み入れる。保健室で寝たきりだった自分が現れたことに、観客席からかなりのざわめきが走る。これでわざわざ挨拶回り
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