暁 〜小説投稿サイト〜
豹頭王異伝
転換
湖の導灯
[1/4]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話
 水晶の様な材質の壁、古代機械の奥から更に意識の無い身体が運ばれて来た。
 銀色の髪の若い女性、憔悴し切った痩身の青年。
 侍女の装束を纏い、毛に覆われた異種の小柄な身体。
 魔道師全員に緊張が走り、結界が震える。

 ヴァレリウスは神聖パロ王妃と侍女、カラヴィア公子を無視。
 ヨナの思慮深い澄んだ瞳の開いた瞬間、心話を投射。
(内部で何があったか、思い出せるか!?)
 涼しい瞳が瞬くと同時に《気》が高まり、冷静な思考が返って来た。

(古代機械から、ナリス様の診断結果が伝達されました。
 身体機能の回復に問題はありませんが、最低3日程は必要と見込まれます。
 運動神経の再生に付随する苦痛を和らげる為、ナリス様は深層睡眠に入られました。
 万一にも竜王の魔手が及ばぬ様に夢の回廊、ヒプノスの術も遮断する独自の結界を展開中。
 無意識の状態を保ち細胞の賦活化、治療の促進に最適の環境が整っています。

 リンダ様、アドレアン公子、スニは異常ありません。
 通常の睡眠状態ですから一定の時間が経過の後、自然に目覚めます。
 グイン王は既に転送され、古代機械より立ち去りましたが転送先は不明です。
 問い質してみましたが『マスター以外の者に、答える義務は無い』と拒絶されました。
 『入室許可も必要最低限に限る』と通告されましたが、情報は提供されています。

 以前に竜王が探査を試みた際の威力偵察、念波の計測に拠り推定される総量は前例がありません。
 古代機械の許容量《キャパシティ》を凌駕する為、防御結界《バリヤー》の維持は不可能です。
 レムス王の容貌で強引に侵入を図った際は、一時的に仮死状態へ移行し突破を免れた様ですが。
 治療中に同様の事態が生じた場合の阻止は不可能、ナリス様への影響は予測出来ません。
 或いは生命活動の停止も起こり得る、と主張しています)

 ヨナの冷静な思考を読み取り、ヴァレリウスが心話で中継。
 魔道師全員が事の重大さを改めて認識、共通の理解が拡がり《気》と《念》が揺らめいた。

(ナリス様の警護は総てに優先する、なんとしても竜王の魔手を阻まなければならん!
 下級魔道師50名を割き各5名の班10個を編成、5人一組で星型の魔法陣を組む。
 常時10名が結界を張り、二重に魔法陣を重複させる。
 15タルザン毎に各5名を交代させ睡眠、待機を繰り返し集中力を保つ。
 俺を含め上級魔道師5名も結界を張り、キタイ勢力の接近を阻む。
 ヨナ、ロルカ、ディラン。
 済まないが、総て任せる。
 ケイロニア軍、ゴーラ軍への対応も含め宜しく頼む)

 ヴァレリウスの指示を受け、数人の魔道師が慌ただしく閉じた空間を創造。
 ヴァラキア出身の若き賢者は澄んだ瞳に剛い光を宿らせ、同志の手を握
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ