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RSリベリオン・セイヴァ―
第十六話「その憧れは、歪みとなる」後編
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は彼か狼を信じるよりなかった。

「狼君……?」
放課後、弥生は狼のいる寮の相部屋へ入り、様子を見た。彼はそのまま、ベッドに腰を下ろしながら夕暮れが映る窓を見続けていた。
「……」
しかし、狼は弥生が来ても何の反応も示さずに夕陽を見つめるばかりだ。
「狼君?」
「……弥生」
弥生が彼の前へ出ると、狼の目だけが彼女を捉えた。
「……御体の具合は大丈夫ですか?」
「……ああ」
「なら、いいです」
そうニッコリ笑う弥生だが、そんな彼女に狼がこう言う。
「……その首輪、爆弾なの?」
と、呟くように彼女へ尋ねた。
「……はい」
少し間を置き、彼女は答える。
「そう……俺が、ラウラと戦って勝てば……君は助かるの?」
「そうみたいですけど……何だか、疑わしいです」
「……」
「狼さん、私は行きますが何かあったら呼んでくださいね? ケータイ番号しってます?」
「うん……」
「では、また後で……」
そう言って弥生は出て行った。一人になった狼は、自分以外誰もいない静かな一室で、先ほどと同じようにベッドに座り続けたが、時期に飽きてベッドから離れると、そのまま窓に手を添えて風景を見た。
――嫌だ……あの時の痛みをまた味わうのか? そんなの、嫌だ……! もう、RSなんて手にしたくもない……もう、あんなので戦うなんて俺は……
窓に添える手を握りしめ、悔しそうに彼は歯を食いしばる。そして、そんな悔しさゆえに今の自分は弥生に対して申し訳なさで顔向けできなかった。
「俺は……最低だ!」
そう俺は自分を責めた。
「そう自分を責めるもんじゃねぇよ?」
「!?」
何処からか、聞き覚えのある声が俺に呼びかけた。その声は実態となって俺のベッドに腰を下ろした。
「蒼真……さん?」
そう、しばらく俺たちの前に姿を現していなかったが、彼はまぎれもなく宮凪蒼真さんだ。
「よっ! しばらくだったな?」
「ど、どうも……」
「いやぁ〜……お前がいないから、しばらく家事とかがそのままほったらかしになっちゃっててさ? ま、今はいい居候先があるから俺も家には居ないんだけどね?」
「そうですか……」
「ま……俺の自慢話はそこまでにして、『絶対神速』が出来なくなったんだってな?」
「……!!」
真顔になって尋ねる彼に、俺は目を見開いた。そしてショックを受ける。
「昨日、魁人が調べてみたが……科学的に理解不能だとさ?」
「……」
「狼? こいつぁ、俺の推測なんだが……ひょっとしたら、零はそこらに転がるRSとは違う別個の存在じゃないんかな? って思ったんだ。 序盤でお前さんが弥生を助けたいという強い思いが働いて、零自らがお前を選んだ。さらに飛行機能もロックされていた。しかし、セシリアのネンネちゃんとやったときに自然とロックは解除された。どれも
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