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「二卵性双生児。」
二卵性双生児、
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「僕には父がいない。
今の父は
母の再婚相手さ。
え?…妹?…同い年だよ?
そう、双子、
二卵性双生児。」


…成人式の夜、
郷里の友人達と
酒を初めて、…飲んだ。

妹は他の女子達と
店を変えた様だった。


「あんた、
ずっとここにいんの?
ママにお迎え頼んで、
あたし達、
他行くんだけど?」

「うっせーな、
行きゃいいだろ?
俺は、こいつらと
まだ飲むんだ。」

「ふーん、あんたさー、
飲んだ事無いでしょ?
…ねぇ、大丈夫なの?」

ふん、妹のくせに。
姉さん気取りかよ。
だいたい、あいつは
いっつもうるさい。
…母さんかよ、、、


「すっげぇ可愛いよな、
お前の妹!!」

うるさい、俺は今、
考え事を…。



昨夜、
父さんがいない時、
母さんが
俺達に話した事、
俺は…、
知っていた気がする。

「あなた達のパパがね、
どうして死んだのか、
いつも聞いて来たわよね?
ママが
父さんと結婚したら
聞いて来なくなった…。」


母が再婚したのは、
俺達が小6の時だ。
自分の母親の事を
言うのも何だが、
美しい人で、俺達が
チビの頃は、女手ひとつで
夜も働いて育ててくれた。
再婚の話は沢山有ったが、
俺達が小さいし、色々と
考えて断り続けたそうだ。

…縁有って
今の父親と知り合い、
結婚した。
今の父は初婚で、
子供を作らず、
俺達にとっても
良くしてくれて、
俺も妹も大学に行かせて
もらっている…。


…母が言うには、
パパは自殺したらしい。


ある晩、突然、薬を飲んで。


「おーい!おビールちゃん、
もう1本!」

「飲めよー、
まだまだ、いけんだろ?」

…外野がうるさいな、
何か…、
思い出しそうなんだが。

気持ち悪い…。
あ、意識が、、、、、、、




「あらー、ゆうくんったら、
ご本見てるのー?」

…あれ?ママだ。随分若い。

「あら、お花さんの本?
植物大辞典???
あら、パパの本だわ、
すごいねー、笑
お利口さんね?」

「ママー!ママー!!」

「はいはい、みーちゃん、
おパイかなー?」


いつもこうだ!!
ママと僕が
お話し、してるのに!!
妹が邪魔する!

おパイだって、
あいつが、いっつも
独り占めじゃないか!
僕だってママのおパイ
飲みたいのに!!

ほんの少しだけ僕が先に
生まれたからって…。


…そうだ!
この花には毒が有る。
これを…、あいつに…、
あいつが…、
いなくなれば…。




黒猫のトムに頼もう
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