暁 〜小説投稿サイト〜
異世界に呼ばれたら、魔法が使えるようになりました。
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こうして僕達は山を降りた。
時間としてはまだそこまで経っていなかったようで空は明るい。
けれどこの時間ではお昼時には遅いらしく、はいった喫茶店は人が少ない。
けれどランチメニューという安価にお昼が食べられる時間の範囲内であったようで、それを僕たちは注文しようとしたのだ。
座った座席は四人がけのテーブル席。
僕のとなりにはレイア。
エイダの隣にはリリアといったように、向い合って座っていた。
明るい店内の雰囲気の良い喫茶店で、すぐそばの窓の前には水の入った小さなガラス瓶には白い小さな花が飾られている。
そこでエイダが深刻そうに呟いた。
「う、何て事なの。“モロモロ鳥のパスタ”が売り切れないんて。くぅ、ここの特産なのにっ」
エイダがそのメニューに貼り付けられた売り切れの文字を見て、メニューの紙をプルプル震えながらみている。
とりあえず放っておこうと思って僕もランチメニューを見るけれど、
「“モロモロ鳥”の卵とベーコン、レタス、トマトのサンドイッチに“ノレンジジュース”にチョコレートケーキのセットにしようかな」
「では私も同じものにしましょう。この鳥の卵は美味しいと評判です」
「そうなんだ、楽しみだな」
そう僕がレイアに答える。
レイアも楽しみだと思っているらしくそわそわしている。
やっぱり可愛いよなと僕が思っていると、そこでリリアが、
「エイダ、早くしようよ。ランチタイムが終わるわ」
「ま、待って。えっと、この“エルカ茸と川魚のアヒージョ”にしようかしら」
「私は“エルカ茸と季節の野菜のスープパスタ”セットにしよう。あ、店員さん」
そこで丁度通過した店員に声をかけてランチを頼む。
それからすぐに運ばれてきて、僕はサンドイッチを一口。
ハーブがはいった玉子焼きの濃厚な美味しさだけでなく、トマトの甘味にベーコンの塩味が加わってとてもおいしい。
そんな僕の目の前では、アヒージョを食べているエイダが無言でご飯を食べ続けている。
これはかにを食べると皆沈黙するあの現象だろうかと僕は思ってしまう。
リリアも美味しそうにパスタを食べている。
どうやら全部、当たりであるらしい。
味のいい食べ物の大店を引き当てたのかもと、さりげなく運がいいなと僕は思う。
そしておいしい昼食を得た僕達はそのまま馬車にのりつぎの町へ。
「そういえば、何処を目指しているの?」
エイダが僕に聞いてきたので、僕はレイアを見て、
「うーん、僕にきかれてもわからない。レイアに旅立ちたいから一緒に来て欲しいと言われただけだから」
「すごく適当ね」
「うーん、でもレイアが次の街に行くって言っていたので、それでいいんじゃないのかな?」
「……まあいい
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