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101番目の舶ィ語
第十七話。再戦の刻
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ぐに何でもなさそうな表情をして俺の方に顔を向け。

「……ゴホン、では改めて。話ってなんだ?」

そう尋ねてきた。

「やれやれ……仕方ないのう」

ラインも氷澄との話を切り上げて、俺の方に顔を向けてきた。
今のやり取りで解ったが、どうやらジーサードは氷澄の物語というわけではないみたいだ。
氷澄の反応は昔のかなめ……品川の火力発電所でジーサードの命令に逆らえなかった頃の態度そのものだったからな。
そう。それはつまり……!
逆らえない(・・・・・)のだ。自分より強い奴に……。

「おい兄貴、話ってなんだ?」

段々解ってきたぞ。奴らの力関係が。
氷澄にとって、ラインは俺と一之江みたいな感じで。
そう考えるとジーサードはカナ。
主人公のロアを物語として持っていようが、逆らえないんだ。
物語(ロア)としての『格』が違い過ぎて。
などと、考え事をしていると。
ジーサードが尋ねてきたので。
俺はジーサード達と『交渉』を進める事にした。

「ああ。『主人公』が『主人公』が取り込むと、そいつの持っている物語が増えるっていうのは理解したんだ。だから、狙われるっていうのも仕方ないってな」

「その通りだ。俺は既に、お前以外の『主人公』も狩っているからな」

「遅えよ。理解すんのが……だが、その通りだ。俺も何人かの『主人公』を既に取り込んでいるからな」

俺の言葉に同調する氷澄やジーサード。
彼らも彼らでそれぞれの『物語』があったんだろう。
『主人公』が『主人公』を取り込む。
人間が人間を襲う。
だからこそ、『主人公狩り』なんていう異名で呼ばれているのだろう。
それは、例えるなら人材の奪い合い。
優秀な人材を無理矢理相手から奪う、略奪行為。
元武偵として、その行為を認めたくないが……。

(だが、まあ。戦いなんてものは結局、奪い合いだからな……)

欲しいもの。手にしたいものがあるから戦いは起きるわけで。
その戦い自体を全部無くすなんてことは当然ながら出来ない。
だが、だからこそ。ルールや決まりごとを守る必要がある。
奴らは態度や言葉こそ乱暴だが、そのルールとかは守る奴というのは理解出来る。
先ほどのラインの発言では、『契約は必ず守る』と言っていたしな。
だから、俺はジーサードや氷澄にある事を提案しょうと思う。

「俺よりも経験があるお前らなら、仲間になってくれたら心強いと思ったんだよ」

「……仲間?」

氷澄は俺の言葉の意味を考えるように問いを挟み。

「ケッ、なんだそりゃあ」

ジーサードは呆れたような、だけど何故か嬉しそうな顔をして。

「フンッ、命乞いか?」

氷澄は馬鹿にしたような視線を俺に向けてくるが。

「いや、命まで取る気はないだろ
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