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101番目の舶ィ語
第十五話。妹でも愛さえあれば関係ない……よな?
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ってましたよね?」

そういえば前にそんな誤魔化し方をしていたな。

「ああ。民俗学というか、都市伝説を調べてるんだ。友達と一緒に、な」

嘘は言ってない。嘘は、な。

「そうだったのですね。 ……ん……」

「ん?」

理亜は何かを言いかけて、言葉を噤んだ。
その様子からして何か怖い都市伝説を聞いた……のか?
今は、まだ雨が降っているせいか、ロケーション的には怖がらせるにはピッタリなんだが、妹を怖がらせてニヤニヤするような趣味は俺にはない。
だから、理亜が話すまで待つか……と思っていると。
理亜の口から予想以上の言葉を聞くハメになった。

「兄さんは『ベッド下の男』という都市伝説をご存知ですか?」

「っ??」

完全な不意打ちだった。
まさか理亜の口から、ついさっき撃退した都市伝説の名が出るとは思っていなかった。

「あ、ああ。知ってる。実は今日、その都市伝説の相談を受けたんだ」

「え、兄さんもなのですか?」

「も、って事は理亜もなのか?」

「はい。実は私も『ベッド下の男』が怖いから泊まって欲しいって急に頼まれたんです」

「ああ______そういうこと、かぁ」

いろいろ納得できた。
そっか。理亜に男がいるとかだったら、なんか嫌だからな。
……何故かは解らないが。

「その子の家も、今日は誰もいないから、って。 ……それで、結局何も出ませんでしたので、帰ってきたんです」

ああ、そうか。俺達が撃退しなかったら、理亜達の方に現れていたんだな。
あの迷惑教師が。
出たのが俺達の方で良かった。本当に。
綴が現れたのが俺達の前じゃなかったら、と思うと……
ゾッとしてしまう。
まるで関係ない家族が、ロアに襲われる可能性がある。
それは本当に怖いことで。

「まあ、理亜はクールだから頼りになるんだろうな……」

「もう、兄さんまでかなめお姉ちゃんやあの子と同じことを言わないで下さい」

脱衣場の方からそんな拗ねた声が聞こえて。
そんな理亜の声を聞きながら思う。
これからも、危険な可能性のある都市伝説を倒していかないと。
理亜の、家族の、大切な人達の平穏を守る為にも、と。
それと同時に。
______そんな『決意』もまた、『主人公』っぽいよな、なんて思ってしまった。

「ありがとうな、理亜」

「はい?」

「ああ、いや。無事に帰ってきてくれて、だ」

ロアと遭遇していたかもしれない妹に対し、本心から出た言葉だったのだが。
理亜には冗談に聞こえたらしく。

「ふふっ、大げさですよ兄さん。でも、はい。どういたしまして」

理亜は柔らかな口調でそう言ってくれる。
そして、その返事に満足してしまう自分がいる。
普段がクー
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