暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜銃声と硝煙の輪舞〜
ダブル・ヒーロー
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静かに首を振る。

違う、と動いた唇は空気に音を乗せた。

「違うんだよ、七代目。力なんて関係ない。あの子にとって、もう《鎧》はそういうものじゃなくなっているんだよ」

「…………………?」

「きみがフェイバルと呼んでいる子は、こう考えているんだ。《災禍の鎧》の中には、まだぼくという存在が残っている。そして、《鎧》をまた甦らせれば、またぼくに会える……って」

「な…………」

蓮は思わず絶句する。

二の句がつけなくなる。

そして、その間にも眼前の少年は乾いた眼を上方に向け続けていた。

「半分は合ってるんだ、半分は。実際、ぼくは今こうして《鎧》の《核》として在るんだから。……だけど、フランの望み通りにはならない。たとえ《鎧》がまた復活したとして、そこにいるのはぼくであってぼくじゃない」

「……災禍の鎧……マーク…U……」

それは考えうる限り、最悪のシナリオだ。

まったく新しい、新生の《鎧》の誕生。

いや新生とはいえ、旧《鎧》の《核》を用い、そしてその欠片を再び集め、造り出すのだから、新生というよりは蘇生というほうが正しいか。

その性質、凶暴さは欠片も揺るぐことなく、それどころか数段増して、あの鋼鉄の城を脅かした《災禍》が復活するのだ。

「なんとか……しないと」

「できないよ」

即答。

少年の放った言葉は、少年の心に冷たく突き立った。

「『やるやらない』の話じゃなくて、できないんだ。無理なんだよ。……この絶望からは、誰も抜け出せない。災禍の連環は誰にも断ち切れない。世界の終わりにただ一人残る、その時まで」

「………………………」

蓮は、返答はしなかった。

ただ、前髪の奥から底冷えする眼光を少年に当て、そして――――鼻で嗤う。

期待外れだ、と告げるように。

次いで。



「ふざけんなよ」



ゴッッンンン!!

垂直壁に、胸倉を掴まれた少年の背が激突する音が響き渡った。それは物理的な力となって、上空から降ってくるくぐもった音すら、どこか畏縮したように小さくなる。

だが、叩きつけられた当人は、どこか困惑したように、目を白黒させていた。そのことが余計に、蓮の神経を逆撫でする。

「いいか、初代。アンタがどう言おうと、これは『やるやらない』の話だ。できる?できない?ハッ、やりもしないうちから勝手に決めつけんじゃねえっての」

ミシリ、と音が鳴るほどに拳を握りしめて、蓮は言葉を重ねた。

「自分は不幸です。充分頑張ったけどどうにもできませんでした。だってしょうがないじゃないか。きみにぼくの何が分かるんだ……ってか?悲劇のヒロインか手前ェは。反吐が出そうな常套句(テンプレ)を抜かしてんじゃねぇ。手前
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