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逆襲のアムロ
9話 ダグラスの死線 11.12
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ることに誇らしかった。しかしそれは、陰謀によるものだとは思わなかった。知っていたとしても止めることができない。ならば力を付けなければならないと考えた。


「今は無理だ。派閥で私がジオンのトップになれば自ずと彼らを断罪し、法の下で君の主張を認めさせる。だからシャア、君はジオンに残れ。私が手伝ってやる」


「・・・有り難い申し出だ。あまり選択肢もなさそうだ。君に託そう」


「ああ、任せてくれ」


シャアは当初復讐を考えていた。しかし、アムロとの談話や様々な経験、そしてあの妙な感覚から成すべきことに疑問を感じていた。ガルマを殺さなかった。それはシャアにとって一つの成長になった。


シャアとガルマは外に出るとダロタ始めとする搭乗員が車に乗り、手を振っていた。


「司令!中佐!こちらです」


ダロタの乗る車に2人は乗り込み無傷のガウにドムを搭載して離陸した。


* ウィスコンシン上空 ガウ艦橋 11.15 9:00


ダグラス部隊は多くの犠牲を払いながらも12日に無事退却をし、遅れて15日にはガルマも後方の補給基地襲撃の報告を受けガルマ部隊の全軍をミネソタより引き揚げた。グレイファントムもノースダゴタの補給基地まで後退していた。

別動隊のテネス等3名の部隊も再び迂回しダグラスの下へ帰投していた。
3名とも命令不服従ということと本隊の全滅を防いだということで情状酌量が組まれ1週間の謹慎処分となっていた。

艦内にはシャアの姿がなかった。戦闘詳報によると重傷を負い3ヶ月入院ということだった。それは真実でなく、シャアはガルマより暇を貰い軍から少し離れることにした。
シャアはガルマにこう話していた。


「自分の気持ちを整理したいと思う」


「そうかシャア。私もやるべきことが増えたな。君が戻るまでアメリカの半分は守り抜く。私はジオンを変えねばならないからな」


「わかった。でも無理はするなよ」


シャアはニューヤークより民間飛行便で東に向けて飛んでいた。
きっとこの選択が良いのだろうとシャアは思った。復讐に取りつかれていた自分に疑問を持ち始めていた。そして立ち止まったきっかけが先の撃てなかった銃・・・その感覚が残っていた。

非科学的なことはあまり信じないシャアも直感として怪しさをその感覚に覚えた。
その感覚を知るべくインドへ向かっていた。シャアはその感覚に囚われたときインドのガンジス河が脳裏に焼き付いた。


「(焼き付かされたという方が正確か。それだけ強い残留思念・・・信じたくもないが今の私にはその勘が空振りでもすがる必要のあることかもしれない)」


シャアは飛行機のシートに深々と腰を落とし眠りについた。


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